ドジャースが、ジャイアンツからFAのブレーク・スネル投手（31）と5年総額1億8200万ドル（約276億6000万円）で契約合意に達したと26日（日本時間27日）、大リーグ公式サイトが伝えた。右肘手術から投手復帰する大谷翔平投手（30）ら先発3本柱にサイ・ヤング賞2度の左腕が加わり、豪華4本柱誕生でワールドシリーズ連覇へ向けて突っ走る。
右肘手術から来季投手復帰する大谷に最強の援軍が加わる。山本、今季の開幕投手グラスノー、そして左腕のスネルが加わることで盤石の4本柱が完成。4人の平均年俸を足すと1億6078万ドル（契約時レートで約234億円）。大リーグ公式サイトはあるナ・リーグ球団幹部の「金持ちはより金持ちに、貧乏人はより貧乏に」という米格言を元にしたコメントとともに、米球界を駆け巡った衝撃の大きさを伝えた。
正式発表前だが、スネルはSNSに今季ジャイアンツでつけた背番号7の、ドジャースのユニホーム姿の合成写真を投稿した。新天地ロサンゼルスを意味する「LA」と、驚くように目を見開いた絵文字を添えた。5年総額1億8200万ドルは今オフ最大の大型契約。ド軍は今季、ワールドシリーズを4年ぶりに制覇したものの、終盤はチームトップ11勝のストーンら投手陣に故障者が相次ぎ、先発右腕フラーティやビューラー、サイ・ヤング賞3度の左腕カーショーがFAとなった。今オフは先発投手が補強ポイント。スネルはジ軍に移籍した今季は左足股関節のケガで出遅れたが、8月には持ち味の100マイル（約161キロ）に迫る速球と大きなカーブを軸に初のノーヒットノーランを達成するなど健在。この日にオンライン面談したというヤンキースやレッドソックスとの激しい争奪戦を制した。
さらに全国紙USAトゥデーのボブ・ナイチンゲール記者によれば、スネルは大谷と同様に「後払い」の契約を結び、その規模は6200万ドル（約94億円）。基準額を超えると課徴金（ぜいたく税）を課される球団の年俸総額の大幅な削減、今後の補強費捻出に貢献するという。
次なる照準はFA市場最大の目玉のヤンキースからFAの外野手ソト、そしてロッテからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す佐々木だ。スネルの「後払い」契約の恩恵は大きく、ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者も「ド軍はソトの獲得を諦めていないようだ」と伝えた。佐々木は契約総額が抑えられるマイナー契約でしか移籍できず、他の大型契約が足かせにはならない。
世界一後のシャンパンファイトで大谷は「これをあと9回やろう」と呼びかけた。球団も本気。来年3月の日本凱旋を控えた今オフのストーブリーグも完全制覇し、黄金時代に突入する構えだ。
◇ブレーク・スネル 1992年12月4日生まれ、シアトル出身の31歳。ショアウッド高から11年ドラフト1巡目（全体52番目）指名でレイズに入団。21年からパドレス、今季はジャイアンツでプレーした。18年に21勝、防御率1・89でサイ・ヤング賞。23年にも14勝、防御率2・25、自己最多234奪三振で2度目の同賞に輝いた。24年8月2日のレッズ戦でノーヒットノーランを達成。1メートル93、102キロ。左投げ左打ち。