オリックス・岸田監督が、宮城に“タイトル総ナメ指令”を出した。自身も現役時代につけた背番号18を来季から継承するエース左腕に、3年連続投手4冠に輝いた前任者、山本由伸(現ドジャース)のような圧倒的な成績を期待した。
「実力で言ったら、もうかなりのものなので(タイトルを)獲れるんじゃないですか?(総ナメする能力が)あると思うんですけどね、僕は。当然、やってほしいです」
今季は5月に左大胸筋の筋損傷で約2カ月弱の離脱を強いられたことが響き、規定投球回に残り1回1/3届かず最優秀防御率のタイトルを逃して涙を流した。それでも10試合連続クオリティースタート(6回以上、自責点3以下)でシーズンを締め、防御率は1・91。「健康でずっと投げ続けたら、数字は出ると思いますけど。頭も良いし、クレバーですから」と岸田監督。既に来季の開幕投手を託すことを通達済みで、「理想で言ったら中4日でずっと回ってほしいぐらい。ウソですけど。健康でずっと投げ続けて、柱として回ってくれたら言うことない」と全幅の信頼を寄せた。
宮城自身も「投手部門のタイトルは一つも獲れていないですし。いきなり全部とは言わずに、積み重ねてきたものを忘れずやっていけたら」と謙遜気味に腕ぶした。看板となる番号を背負う覚悟とともに、絶対的な柱へと成り上がる。(阪井 日向)
《由伸の獲得タイトル》21~23年の3年連続で勝利、防御率、勝率、奪三振の投手4冠を達成。3年連続投手4冠はプロ野球史上初だった。これ以前の19年防御率、20年奪三振とで通算14タイトルを獲得。また21~23年は3年連続でMVP、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞にも選ばれている。