パイレーツの若きエース、ポール・スキーンズ投手(22)が大リーグ公式サイトのインタビューで「ドジャースやヤンキースとは少し異なる方法ですが、必ず勝つつもりです」と宣言している。
パイレーツは24年シーズンの年俸総額は8400万ドル(約127億7000万)余りでMLB全体で2番目に低かった。前半戦は好調を維持したが、8月に8勝19敗と失速しナ・リーグのワイルドカード争いから脱落。最終的にはナ・リーグ中地区で最下位となり、9年連続でプレーオフ進出を逃す結果となった。
オフシーズン初めての記者会見で、パイレーツのベン・チェリントンGMはこのオフは補強資金があると明言した。スキーンズなど主力選手はまだ調停権も得ておらず、大幅な昇給はない。資金をFA市場に投入することが可能だ。スキーンズが「必ず勝つつもり」と言い切るのは、球団とフロントオフィスが彼ら若い選手の意見を聞いてくれるからだそうだ。
「(オーナーの)ボブ・ナッティング氏やチェリントンGM、その他のチーム関係者とかなりの頻度で話す機会がありました。彼らは意見を聞いてくれる。僕がドラフト1位だとかは関係ありません。ミッチ・ケラー、ブライアン・レイノルズ、ブライアン・ヘイズら選手たちの意見にも耳を傾けています。彼らは柔軟です。ナッティング氏はとても親しみやすい方で、彼も勝ちたいと思っているので意見を聞く姿勢を持っている。世間で彼に対して描かれているイメージとは違うかもしれません」
ナッティングオーナーはチームへの投資を怠っている、勝つ気がないと批判されることが多いが、そうではないと言う。もっとも8400万ドルから一気に、年俸総額が2億ドルを超えていくわけではない。パイレーツには若い才能ある選手がたくさんいる。
スキーンズは「8月は、多くの選手にとって苦い思い出になった。いろんなことがうまくいかなかった。私の希望としては、その経験を克服し、今後どうやって勝てるかについてより自己認識を深められれば、チーム内の才能はこれからもっと向上していくと確信しています」と言う。
パイレーツはドジャース、パドレス、フィリーズ、メッツとあくまでも戦力的な部分では競り合えるチームでは、まだない。しかしこのオフ、FA市場でいくつか大きな補強をし、年俸総額を1億2000万ドル以上に引き上げれば、25年はナ・リーグ中地区で優勝候補の一角に入り込めるかもしれない。
そしてポストシーズンに出れば、スキーンズ、ケラー、ジャレッド・ジョーンズのような才能のある先発投手がいるため、勝つチャンスはある。「ドジャースやヤンキースとは少し異なる方法ですが、必ず勝つつもりです」。このオフのパイレーツの動きを注視しよう。