広島からドラフト1位指名された佐々木泰内野手(21=青学大)が28日、都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円、年俸1600万円プラス出来高払い5000万円で仮契約を結んだ。東都リーグ通算12本塁打をマーク。将来的に本塁打王を目指す右の大砲候補は、来季の目標に新人王獲得を掲げた。いずれは侍ジャパンでの活躍も見据えるなど、大きな野望を抱いて、カープのユニホームに袖を通す。
佐々木は大きな夢や目標を持つことを大切にしてきた。県岐阜商では前監督で恩師でもある鍛治舎巧氏から「思わないことはかなわない」と教わった。ドラフト1位指名されるまでに成長を遂げた右の大砲候補は、プロでも壮大な夢を抱く。
「ホームラン王は将来的に獲れたらと思っているので、目先では、新人王を(目標に)持ってやりたい」
高校通算41本塁打をマークし、青学大では1年春からリーグ戦に出場。いきなり4本塁打を放つ鮮烈デビューを飾ったが、プロでも即戦力としての活躍を思い描く。今秋の明治神宮大会では、福岡大との2回戦で左肩を脱臼。準決勝以降は欠場となったが、徐々に回復。「痛みはだいぶ引いてきた。もう少し安静にして、準備していきたい」。1月の新人合同自主トレに向けて慎重に調整を進める。
1年目からの活躍を目指し、下半身強化に重きを置いてきた。スクワットは大学入学時から30~40キロほど負荷の量が上がった。「今は200キロ上げられるように取り組んでいる」。強靱(きょうじん)な土台をつくり、武器とする長打力をブラッシュアップ。その先にはチームの顔となり、世代を代表する選手になるという思いを秘めている。
「特に西川には同じチームとしてやってきましたし、負けたくない気持ちはある」
青学大の同級生でロッテ1位の西川とは、2年の終わりごろから練習パートナーを組んできた。食トレを含めて切磋琢磨(せっさたくま)してきた間柄。楽天1位の宗山(明大)ら強力なライバルもいるが、「一日も無駄にすることなく、準備していきたい」と闘志を燃やした。
「大学日本代表に選んでもらったが、思うような結果を残せなかった。次はトップチームでという思いは強くある」
いずれは世界で活躍する夢がある。昨年の日米大学野球では初めて大学日本代表の一員として日の丸を背負ったが、4試合に出場して9打数無安打。その屈辱を晴らすためにも、まずはチームの中心選手になることを目指す。「広島の日本一に貢献できるように頑張りたい」と意気込んだ。 (長谷川 凡記)
◇佐々木 泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ、岐阜県大垣市出身の21歳。県岐阜商では1年春から4番を務め、3年夏の甲子園交流試合に「3番・三塁」で出場し大会1号本塁打。青学大では1年春からリーグ戦に出場し、3年夏に日米大学野球で侍ジャパン選出。主将の4年春は全日本大学選手権でMVP。1メートル78、82キロ。右投げ右打ち。