楽天を戦力外となり、日本ハムと育成契約した清宮(せいみや)虎多朗投手(24)が28日、北海道北広島市の本拠地エスコンフィールドで入団会見を行った。年俸は700万円、背番号は「115」に決定。同じ漢字表記で読みの違う清宮幸太郎内野手(25)が既に在籍しており、来季は「清宮」姓が2選手になるが、間違えられないよう「セイミヤ」のアピールを誓った。
これまで幾度となく間違えられてきた。北海道でも「清宮」と書いて「キヨミヤ」と読むのが既に定着しているだろう。しかし、同じ漢字表記でも読みは違う。球団カラーの青のネクタイを締めて入団会見に現れた清宮虎が、猛アピールで顔と名前を売っていくことを誓った。
「“セイミヤ”でちゃんと覚えてもらいたいですね」
千葉・八千代松陰時代から、早実・清宮と名前が似ていることを意識し始めた。名字の漢字に加え名前も「こたろう」と「こうたろう」でそっくり。周囲からもイジられることも少なくなく、右腕は「高校ぐらいからずっと“それ”と付き合いながら過ごしてきたって感じですね」と、苦笑いで振り返る。
出身地では「セイミヤ」読みが一般的だと言う。しかし、清宮幸の活躍もあってか「名前で予約するところとかあるじゃないですか。そういうところは大体、キヨミヤ(と呼ばれる)。そのまま訂正せずにいきますね」。新天地でも「自分の名前がたくさん知ってもらえるようになるなら」と、名前イジりも大歓迎した。
実力でもアピールしていく。今季は楽天で育成から支配下登録されながら戦力外通告を受け、14日の12球団合同トライアウトを受験。最速154キロをマークするなど持ち味を発揮し、直後に木田優夫GM代行から獲得の打診があった。「戦力外になって拾ってもらったので、ファイターズの力になれるように」と、決意を固めた。
会見直前、ロッカールームで清宮幸と遭遇した。清宮虎は「頑張ろうねとちょっと笑いながら。和やかな感じで」と、互いに意識している様子だったという。「清宮」姓が2人在籍することになるが登録名は未定。名前の虎多朗で登録する案も「背ネームがKOTAROで幸太郎とも虎多朗とも読めるし…」と苦笑いだった。
「一番は力のある真っすぐが売りで、その中でフォークで三振が取れること」と、強みを語った清宮虎。まずは早期支配下昇格を果たし、さらに名前を売っていく。(清藤 駿太)