阪神から国内フリーエージェント(FA)権を行使していた大山悠輔内野手(29)が29日、残留を発表した。
日本野球機構(NPB)から今月14日、FA宣言選手として公示されたのは9人。その中で、国内FA権は阪神の大山、原口文仁捕手(32)、中日の福谷浩司投手(33)、木下拓哉捕手(32)、ソフトバンクの甲斐拓也捕手(32)、石川柊太投手(32)、楽天の茂木栄五郎内野手(30)の7選手が行使した。
大山は阪神から5年総額20億円規模、巨人からは6年総額24億円超とみられる大型契約を提示されていた中での残留。決め手については「いっぱいあるんですけど」と話しながら、「監督、コーチ、スタッフの皆さん、裏方の皆さん、そしてチームメートともう1回優勝、日本一を一緒に達成したい。そこが理由になった」と晴れやかな表情で語った。
23日には中日の木下が残留を表明。26日に200万円増の年俸7000万円(推定)の2年契約でサインした。11日にFA宣言し、その後も球団と話し合いを重ね「他の人(FA選手)の動向で決めるのが嫌なのもありましたし、ドラゴンズからは最初から凄い誠意のある条件をいただいていたので。他球団というより、一番評価してくれているなと感じた」と来季10年目となる愛着のあるチームで再び開幕マスクを目指すことを語った。
ここまでの残り5選手の動向は、ヤクルトがソフトバンク・石川と26日に福岡市内で初交渉。小川淳司GMが3年総額6億円とみられる好条件を提示して熱意を伝えた。他に、巨人、ロッテ、オリックスが獲得に興味を示している
阪神・原口は23日に行われた甲子園での「ファン感謝デー2024」に参加した際に「今はまだ動きはなくて静観しています。どこかと連絡を取ったりもまだないです。(引き続き)待ちたいと思います」と現状は交渉していないと明かした。
ソフトバンクの甲斐は24日、前日23日に巨人・阿部監督が「絶対的な司令塔が欲しい」という自身への熱いラブコールを報道で見て「司令塔という言葉を使って言っていただいたのはキャッチャーとしてうれしいこと」と話した。その一方で優勝パレード、ファンフェスティバルに参加し「多くの方から(残ってほしいと)言っていただいた。選手としてうれしい言葉ではありますよね」と笑顔。今後は自らも直接交渉の席に着く方針で「早く決められればいいですけど大事な決断。いろいろな話を聞きながら考えたい」と胸中を明かした。
楽天の茂木は23日に本拠の楽天モバイルパークで行われたファン感謝祭に参加。FA宣言後、初めて公の場に姿を現し「“どこに行っても応援している”とか“残って”とか温かい言葉をいただきました」とファンの言葉に感謝。その上で「本当によく考えて結論を出したいと思います」と語った。