ソフトバンクの近藤健介外野手(31)が29日、みずほペイペイドームで契約更改交渉に臨み、7年契約の3年目となる来季は現状維持の年俸5億5000万円プラス出来高払いでサインした。今季は首位打者、パ・リーグMVPに輝き、4年ぶりのリーグ優勝に貢献。来季も山川穂高内野手(33)らとともに得意分野で力を発揮し、鷹戦士の打撃タイトル独占でリーグ連覇、日本一奪還に貢献したいと思いを語った。 (金額は推定)
初のパ・リーグMVPなど今季も多くのタイトルを手にした近藤だが、こだわる数字にブレはない。来季も打率、出塁率でより高いレベルを目指す。「来年は143試合フルに出て、こだわりは出塁率4割かな。(最高出塁率は)毎年獲りたい。あと(打率)3割は必ず。そこはブレずやっていきたい」と迷いなく語った。
昨季は本塁打、打点の2冠に輝いた。来季パ・リーグでは2004年の松中信彦(ダイエー)以来となる3冠王も期待されるが、強い興味は示さなかった。「本塁打は打ちたいし、変わらず目標ですが…。本塁打王はない。山川さんにはかなわない」。“餅は餅屋”のスタイルを強調し、34本塁打、99打点で今季2冠に輝いた山川に譲る口ぶりだった。
今季から山川が加入し、不動の4番として君臨した。5月までは柳田が3番、自身は5番としてクリーンアップを形成し、両者のパワーを痛感した。「ギーさん(柳田)、山川さんのすさまじい打撃を見てきた。大振りになったり、欲を押し殺したりして慣れてきて自分の打撃ができるようになった」。近藤は自身の打撃スタイルに徹し、打率・314で初の首位打者、出塁率・439で2年連続4度目となる最高出塁率のタイトルを手にした。
柳田の離脱後は3番に栗原が入り、打線は相手投手にプレッシャーを与え続けた。チームは両リーグ断トツの607得点を記録。打撃主要3部門の上位にはソフトバンク勢が名を連ねた。来季も主力が得意分野で力を発揮すれば、91勝を挙げた今シーズン同様に他チームを圧倒できるはずだ。チーム内でしのぎを削り、狙うは2年連続のMVP。「何回でも獲りたいなと思う賞。狙えるのであれば狙いたい」と意欲を示した。
チームとして目指すのはリーグ連覇と日本一奪回。ポストシーズンは右足首捻挫の影響でフルに力を発揮できなかっただけに「日本シリーズでは負けたし、後味が良くない一年だった」と決意をにじませた。 (井上 満夫)
≪侍復帰に意欲≫
H…近藤は日本代表復帰も目標に掲げた。井端ジャパンの主力として期待されていたが、右足首捻挫のため準優勝に終わったプレミア12には出場できなかった。同大会はテレビで観戦。「日本シリーズもそう、短期決戦の難しさを見ていて思った。“こうなっちゃうんだ”というのが(出場する)より見えた」。26年WBCの代表入りには来季の活躍が重要になる。「来年、結果を残さないと土俵には立てない。山ほどいい選手も出てきている。思いはあるので、やらないことには」と語った。