中日からドラフト5位指名を受けた北照・高橋幸佑投手（17）は29日、小樽市内で契約金3000万円、年俸540万円で仮契約を結んだ。交渉場所は小樽の地で創業86年目の「おたる政寿司」本店。中日の本拠地、名古屋市にも支店がある老舗で「今日は人生で一度きりの日。忘れることなく大切な一日にしようと。初先発初勝利に、日々成長していきたい」と誓いを新たにした。
今月の愛知県でのテレビ出演時、通算219勝を誇る山本昌氏（59）と一緒になった。同じ左腕のレジェンドから日々の体調管理で無遅刻無欠席だったこと、そして「自分と同じ（ドラフト）5位。期待しているから頑張って」と激励された。32年間、50歳まで現役を続けた大先輩の言葉に、高橋は「山本さん以上に頑張りたい」と表情を引き締めた。
高校3年間、休みの日には回転寿司店に足を運ぶこともあった。マグロが一番好きという最速148キロ左腕は、交渉後に大間産マグロを頬張り、笑みを浮かべた。
先を見据え、今は週2、3度捕手を座らせてマウンドと本塁間より長い20メートルの距離で投げているという高橋は「新人合同自主トレにいいコンディションでいけるようにしたい」。色紙に記した「日々成長」を胸に、山本氏のような太く長い野球人生を目指す。（竹内 敦子）