◇明治安田J1リーグ第37節 新潟0―1G大阪(2024年11月30日 デンカS)
J1新潟は、ホームでG大阪に0―1で敗れた。前半18分に先制点を許すと、FW小野裕二(31)、MF小見洋太(22)らがゴールを狙うものの好守に阻まれ、後半も無得点に終わった。勝ち点41のまま順位は17位に落とし、18位磐田がFC東京に勝って同38としたため、J1残留争いは最終節に持ち越された。最終節の次節は12月8日、アウェーで浦和と対戦する。
冷たい雨の中で行われたホーム最終戦セレモニーに笑顔はなかった。「残留を決めて感謝を伝えたかったが、実現できず悔しい気持ちでいっぱい。ラスト1試合、必ず勝って来年もJ1で戦いたい」。DF堀米主将は必死に前を向き、会場に足を運んだサポーターに頭を下げた。
「決めきる。それに尽きる」とFW小野が言うように、この日は決定力がなかった。特に前半は相手GK一森の好セーブにも阻まれ、セットプレーも含めて複数の決定機をものにできなかった。逆にG大阪には前半に決定機の一つを決められ、後半は互いに3本ずつしかシュートがない堅い展開に持ち込まれて逃げ切られた。
これで8試合勝ちなし。ルヴァン杯決勝こそ3得点したものの、リーグ戦はこの日を入れて直近5試合で1得点と攻撃の迫力を欠いているのが大きい。小野は「今日だけじゃないが攻撃が単発。ボールを取り返したら一息つくところがある。もっと相手の嫌なことを全員が意識しないといけない」と、カウンターや畳みかけるような2、3次攻撃の必要性を口にした。
降格圏の18位磐田との勝ち点差は3に縮まった。最終節も引き分け以上で残留が決まる状況は変わらず、得失点差も3上回っていて、アドバンテージは新潟にある。ただ、次のアウェー浦和戦はカップ戦も含めてこれまで一度も勝利がない鬼門だ。
MF長谷川元は「プレッシャーがないと言ったらうそになるが、磐田どうこうではなく、自分たちで勝ち点を積み上げたい」と気合を入れ直す。最終節まで残り1週間。松橋監督はサポーターに向かって「誰も下を向いていない。精いっぱいやって必ず勝ち点3を取ってJ1残留を成し遂げたい。もう1試合、力を貸してください」と必勝を誓った。
○…ホーム最終戦セレモニーで、今季での退団が決まったDFデン、FW鈴木、MF島田があいさつした。3年在籍したデンは「新潟でサッカーへの愛を見つけることができた。感謝している」と手を振った。鈴木はサポーターやチームメート、スタッフへの感謝を伝えながら「残り1試合。残留は他会場の結果ではなく勝ち取るもの。熱い応援をお願いしたい」と呼びかけた。5年間を過ごした島田は涙で声を詰まらせつつ「足を動かす原動力となったのが声援だった。アルビレックスで戦った5年間は僕の誇り」と語った。