大リーグ公式サイトが11月30日(日本時間12月1日)、ジャイアンツをFAとなりドジャースに移籍したブレーク・スネル投手(31)が大型契約となった理由について報じた。
スネルは23年にサイ・ヤング賞を獲得。しかしジャイアンツからは2年総額6200万ドル(約93億円=当時)の契約しか手にすることはできなかった。パドレス時代の23年と比べ、今季は投球回数は76イニング減少。防御率も2.25から3.12と悪化した。にもかかわらずこのオフ、ドジャースと5年総額1億8200万ドル(約276億6000万円)と約3倍の総額で契約することができた。
1年前、いい契約を勝ち取ることができなかったのは、18、23年と2度、サイ・ヤング賞を獲得したものの、19年から22年にかけては防御率3.85で、エースとしての力を懐疑的に見られていたからだ。しかし24年はシーズン序盤の不調にもかかわらず、MLBのトップ投手の一人であることを改めて証明した。
開幕直前にジャイアンツと契約したため、コンディションが整わず、最初の6試合で防御率は9.51。下半身の不調で2度の負傷者リスト(IL)入りもした。しかし、7月に2度目のILから復帰して以降は相手を圧倒。最後の14試合で防御率1.23、8月2日にはレッズ相手にノーヒットノーランを達成した。加えて23年は与四球がMLBワーストの99個だったが、23年の四球率13.3%から24年は10.5%に改善。チェイス率が27.9%から31.6%に増え、3ボールカウントが打席の32.3%から26.6%と減少したからだった。
奪三振率も31.5%から34.7%に向上、被ハードヒット率も33.8%から28.9%と良くなった。奪三振率と被ハードヒット率の両方で、データの上位10%にいた先発投手はスネルとサイ・ヤング賞に輝いたブレーブスのクリス・セールの2人だけだった。
さらに決め球のカーブに加え、フォーシームが良くなった。高回転のフォーシームを高めに投げることで打者に振り遅れさせる。フォーシームを63.5%の割合で高めに投げた(16-23年は51.8%)。フォーシームの空振り率は2019年以来最高の24.1%を記録している。