女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は1日、第46話が放送される。前回描かれた、それぞれの旅立ち、節目、決断…そして涙。最終回と言われてもおかしくない終盤の“神回”続きの物語の中にあるさまざまな表情を切り取った。
<※以下、ネタバレ有>
先週の第45話は「はばたき」。まひろ(吉高由里子)の「源氏物語」執筆がいよいよ終盤を迎えたある日、藤原賢子(南沙良)は宮仕えを希望。まひろは自分の代わりに、太皇太后となった藤原彰子(見上愛)に仕えることを提案し、長年の夢だった旅に出る決意を固める…という展開だった。
寛仁3年(1019年)。まひろは源倫子(黒木華)からの「栄花物語」執筆依頼を断り、脱稿した「源氏物語」と「宇治十帖」を賢子に託した。そして、藤原道長(柄本佑)に「ここらで違う人生も歩んでみたくなったのでございます。私は去りますが、賢子がおります。賢子はあなた様の子でございます。賢子をよろしくお願いいたします」と打ち明け別れを告げた。
驚きの事実とまひろとの別れに固まる道長。体調も思わしくなく、出家を決心した。
倫子「今日は、お加減いかがでございますか」
道長「話がある。出家いたす。頼通(渡邊圭祐)が独り立ちするためにも、その方がよいと思う」
倫子「殿が、頼通のためにご出家なさるのでございますか」
道長「体も衰えた。休みたい」
倫子「お休みになりたければ、私のもとで、現世でお休みくださいませ。今際(いまわ)の際でもありませんのに、ご出家なぞあり得ませぬ」
道長「(倫子に近寄り)気持ちは変わらぬ」
倫子「藤式部がいなくなったからですの?」
道長「何を言うておる」
倫子「出家はおやめください」
道長「許せ」
倫子「お待ちくださいませ」
寛仁3年(1019年)、道長は出家。剃髪し、涙した。
まひろが「違う人生」に旅立ち、賢子が母と同じ道を歩みはじめた。その裏で道長の出家に涙する倫子。道長の“サクセスストーリー”を見守ってきた家族、仲間、同士たちの表情に吸い込まれた第45話。残り3回。新たな局面を迎えた「光る君へ」の世界を、石井さんが描く。
第46話は「刀伊の入寇」。
◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画を手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2023 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2023 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。スポニチアネックスでの大河絵連載は「鎌倉殿の13人」(2022年)、「どうする家康」(2023年)に続き3年目。