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「光る君へ」最終回どうなる?大石静氏“濃密”展開予告「あと3回欲しい」周明らオリキャラ庶民設定の狙い

スポニチアネックス 2024年12月1日 20時47分

 ◇「光る君へ」脚本・大石静氏インタビュー(5)

 女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は1日、第46回が放送され、サブタイトル通り、異国の海賊による九州への侵攻「刀伊の入寇」(寛仁3年、1019年)の火ぶたが切られた。通詞・医師の周明(松下洸平)に若武者の双寿丸(伊藤健太郎)と、ドラマオリジナルのキャラクターが重要な役割を担う。脚本の大石静氏(73)に作劇の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。

 散楽の一員・直秀(毎熊克哉)らオリジナルキャラクターを庶民に設定した狙いについて、大石氏は「当時の人口に対して、貴族はわずか1000人ほどです。この仕事を引き受けた時から、庶民の視点も出さなければダメだと思っていました。それで直秀、周明というキャラクターを作りました。いと(信川清順)や乙丸(矢部太郎)も貴族ではありませんけど、為時(岸谷五朗)に仕えているので、食べていくことはできます。それに比べると、直秀と周明は相当苛酷な日々を送っていたでしょう。双寿丸はまたちょっと違って、武士の時代が迫っていることの象徴として設定しました」と説明。

 双寿丸役の伊藤は大河初出演で、19年度後期の連続テレビ小説「スカーレット」以来のNHKドラマ復帰。「風貌も美しく、身体能力も高く、芝居も手堅いです」と称えた。

 史実でも、藤原隆家が総指揮官を務めた「刀伊の入寇」。今作は、長年の夢だった旅に出たまひろが大宰府に到着し、事件に巻き込まれるドラマオリジナルのストーリー展開。第46回は、約20年ぶりの再会を果たした周明の心臓に敵の矢が突き刺さる衝撃のラストを迎えた。

 大石氏は「武士の時代の到来を感じさせて、このドラマを終わりたい、ということは台本を書き始めた頃から決めていました。なので、迷うことはなかったんですが、最終回は盛り込みたいエピソードがいっぱいありすぎて、あと3回ぐらい放送が欲しいなと思いました。あれこれカットせざる得なくて無念でしたが、密度は濃くなっています」と残り2回の濃密さを予告した。

 次回は第47回「哀しくとも」(12月8日)が放送される。

 =インタビューおわり=

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