◇セリエA第14節 フィオレンティーナ - インテル・ミラノ(2024年12月1日 フィレンツェ)
フィオレンティーナのMFエドアルド・ボーベ(22)が1日、ホームで行われたセリエA第14節インテル・ミラノ戦の試合中に意識を失って倒れ、病院へ搬送された。試合は直後に中止が発表された。
0-0の前半16分、VARで試合が中断した際にボーベは靴のひもを結び直そうとしてしゃがみ、そのままピッチ上に倒れこんだ。医療スタッフが駆けつけ、選手たちが取り囲む中で緊急処置を施されたボーベは担架で運び出され、フィレンツェ市内の病院へ搬送された。フィオレンティーナの選手たちは動揺し、涙を流す者もいたため、審判団はロッカールームへ戻るように指示。試合はそのまま中止となり、後日への延期が決まった。
スカイ・スポーツ・イタリアは、ボーベが救急車の中で意識を取り戻し、自発呼吸を始めたと報道。フィオレンティーナはボーベが病院の集中治療室(ICU)へ運ばれて鎮静剤を投与されたが、最初の検査では神経系や心臓、肺に深刻な損傷はなかったと発表した。病院にはボーベの両親と恋人、フィオレンティーナのパラディーノ監督が駆けつけ、サポーターも集結して「エドアルドよ、フィレンツェは君と共にある」と書かれた横断幕を掲げた。フィオレンティーナは18年3月に、当時主将のダビデ・アストーリさん(享年31)が遠征先のホテルで亡くなる悲劇に見舞われていた。
元U-21イタリア代表のボーベはローマの下部組織出身で、20年にトップチームへ昇格してプロ契約を締結。21年5月にセリエAデビューを果たし、今年フィオレンティーナへ期限付き移籍。14試合に出場して1得点4アシストをマークしていた。
SNSには選手やクラブからボーベを応援するメッセージが殺到。ユベントスは「エドアルド、我々はみんな君の味方だ!」、首位ナポリは「頑張れエドアルド、我々は君の味方だ!」と投稿。また、ボーベのレンタル元であるローマも「我々の一員、我々はみんな君の味方だ。頑張れエド!」と発信した。当時ピッチにいたインテル・ミラノのDFディマルコが「頑張れ、エド。我々はみんな君と、君の家族とともにいる」と書き込んだほか、昨季ローマで同僚だったナポリのベルギー代表FWルカクは試合中のボーベとのツーショット写真に「愛してるよ、兄弟。我々はみんな君の味方だよ」とメッセージを添えた。