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流行語大賞「お笑い系」ゼロの背景 これまで毎年選出も、昨今は「コンプラ違反を気にするあまり…」

スポニチアネックス 2024年12月2日 14時13分

 年末恒例の「2024ユーキャン新語・流行語大賞」(現代用語の基礎知識選)が2日に発表され、阿部サダヲ(54)主演TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」の略称「ふてほど」が年間大賞に選ばれたほか、ノミネート30語の中からトップ10が発表された。世相を表す、今年の「流行語」の傾向は?選考委員が分析した。

 11月5日に候補30語が発表され、注目が集まっていた年間大賞。ドジャースの大谷翔平投手が達成した米大リーグ史上初の快挙「50-50」やパリ五輪で誕生した名言、政治関連から「裏金問題」など今年を象徴するワードがズラリと並ぶ中、「ふてほど」が年間大賞に輝いた。ドラマ関連ワードが大賞に選ばれるのは、2013年に大賞に輝いたTBS日曜劇場「半沢直樹」の名ゼリフ「倍返し」以来、11年ぶり。

 「新語・流行語大賞」は84年にスタート。ユーキャンとの提携で04年から現在の名称に改称された。選考は「現代用語の基礎知識」編集部の調査による30のノミネートから、選考委員会が10語を選んだ。

 今年の「候補30語」には、例年ノミネートされていた「お笑い界」からのノミネートはゼロだった。その理由は?

 選考委員の室井滋(女優・エッセイスト)は、「ダンスやドラマから新語が出たものの、お笑い界からはノミネート30語にも無し。コンプライアンス違反を気にするあまり、なかなか弾けられないのかもしれぬ」と分析した。

 そんな「コンプライアンス重視」を“皮肉った”ドラマ「ふてほど」が年間大賞。やくみつる氏(漫画家)は、「大賞に選ばれた『ふてほど』――この選出はまことにアイロニカルであったと思っているわけです」といい、「“言葉の保管庫”として毎年、その年を代表する語を選定し、顕彰もする中、二度と世に引き出せないものも出て来ている。近年であれば『歴女』や『カープ女子』、あるいは『オバタリアン』などジェンダ一限局の語は今やNG」と回顧。

 「口にした当時は微塵も疑わなかったそれら封印語を敢えて世に問うかの『ふてほど』を大賞としたことは、選んだ側の自戒の念も含むものとご理解願います」と締めくくった。

 これまでほぼ毎年選ばれていた「お笑い系」の流行語。23年にはとにかく明るい安村の「I'm wearing pants!」が、22年にはなかやまきんに君の「ヤー!パワー!」が、20年にはぺこぱの「時を戻そう」、ぼる塾の「まぁねぇ~」「フワちゃん」が選出されていたが、今後の動向にも注目が集まる。

 トップ10は以下の通り(順位なし、並びは五十音順)

◆裏金問題

◆界隈

◆初老ジャパン

◆新紙幣

◆50-50

◆ふてほど【年間大賞】

◆Bling-Bang-Bang-Born

◆ホワイト案件

◆名言が残せなかった

◆もうええでしょう

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