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森永卓郎氏 在職老齢年金制度の見直しは「マイルド官僚」の天下り対策?「実は自分の懐を潤わそうと」

スポニチアネックス 2024年12月2日 15時18分

 がんで闘病中の経済アナリストの森永卓郎氏(67)が2日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜後1・00)に出演。在職老齢年金制度について言及した。

 厚労省は、人手不足を補うため、老齢厚生年金の月額とボーナスを含む平均月給が合計50万円を超えると、年金が減額される「在職老齢年金制度」を見直し、減額する対象者を縮小する調整に入った。

 「ちなみに私はゼロです」という森永氏は「今、厚労省の中でどういう議論になっているかというと、50万円の壁を62万円に引き上げる、71万円に引き上げる、3番目が制度を撤廃する。この3つのうちどれかっていう議論なんですけど、どうやら62万円にしようということで動いているようです」と現状の流れを説明。さらに「なぜ厚労省が限度額を引き上げると言い出したのかという本音は誰も言わないんですけど、私はこうじゃないかと思っているんです」と仮説を語り出した。

 「今、国家公務員、地方公務員は定年延長して2031年には65歳の定年になるわけです。その後、彼らは天下りをするわけです。よくこの番組でも話してきた財務相の官僚は年収2000万円もらって個室と専用車と海外旅行と交際費がもれなく付いてくる。スーパーエリート官僚はそうです。それは公務員の0.1%もいないんです」と明かした。森永氏が「マイルド官僚」と名付ける「もうちょっとレベルの低い天下り」については「個室も専用車もないんだけども、今までの役所の経験を買われて関連企業だとか何とか協会っていうところに天下っている人って2桁くらい多いんです」とした。

 「マイルド官僚」については「公務員時代の威光を借りてですね、たくさん給料をもらっている。その人たちはここに引っかかってしまうわけです。今のままいくと50万円の壁に」と指摘した。「だから、今やろうとしているのは民間企業だと抜け道を使えばなんの問題ないから、“マイルド官僚”のための50万円の壁の引き上げなんじゃないかなって私は思っているわけです」と話した。

 森永氏は「私の仮説です」と改めて強調しつつ「そういうことを一切問わずに“在職老齢年金制度は高齢者の就業意欲を阻害している”って新聞もテレビもみんな言うわけですよ。でも、この“マイルド官僚”が実は自分の懐を潤わそうと。元公務員だから65歳になって業務委託契約に切り替えてくださいとか柔軟なことはできないわけですよ。柔軟なことができないから自分たちのあめに壁を引き上げようという魂胆じゃないかと」と推察した。

 パーソナリティーの大竹まことが「引き上げると金額的にどれくらいの得になるんですか?」と質問。森永氏は「最大で10万円とか」と答えた。大竹が「10万円丸々?」と聞くと、森永氏は「人によってはね。じゃあ思い切って全廃しろって言ってるんですけど、全廃すると予算が必要だと。この予算っていうのは多分4000億円前後なんですよ。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)いくらお金貯め込んでいるかご存じですか?何と246兆円も貯め込んでいるんです。ひどいでしょ?やるんだったら自分たちのことだけ考えるんじゃなくて筋を通せと。年金の保険料払ったのは返せ」と語気を強めて話した。

 大竹から「森永さんはもらっていないということを誇りに思うということですね」と言われたが、森永氏は「ずっとあんたに返るんだから我慢して払えって言われてきた。今はなくても食えるけど、金を取っておいて返さないならせめてお詫びの気持ちを表明しろと。だから、私は金をよこせとは言ってないんです。うまい棒1本でいいから払えよ」と怒りが収まらない様子だった。

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