日本ゴルフツアー機構(JGTO)は2日、都内で24年男子ツアーの表彰式を行い、今季ツアー最多4勝を挙げた平田憲聖(24=ELECOM)が「最優秀新人賞 島田トロフィー」と「ゴルフ記者賞」の2冠に輝いた。最終戦で逆転されて賞金王初戴冠を逃した悔しさを胸に7日には渡米し、12日からの米ツアー最終予選会(フロリダ州)での米切符獲得を誓った。賞金王の金谷拓実(26=Yogibo)が最優秀選手賞を含む最多7冠に輝いた。
ちょっとばかり複雑な表情だった。最終戦で逆転されて賞金王を逃して一夜。2冠に輝いた平田はブラック一色にコーディネートしたスーツに、忘れていて先輩に急きょ調達してもらった赤のネクタイ姿で登壇した。ふとした瞬間に悔しさが込み上げるのは事実。それでも今は、次なる目標へと視線を向ける。
「やっぱり賞金王としてここに来たかったし、悔しいなっていう気持ちはある。でも今は本当に切り替えて、アメリカでの予選会に向けて良い準備をしたいなと思っている」
プロ3年目の今季は9月に3勝を挙げるなどツアー最多の4勝を挙げ、賞金王レースの先頭を走ってきた。賞金ランク首位で迎えた最終戦で金谷に逆転されて同2位に終わったが、飛躍の一年に違いはない。2冠がその証。「本当に光栄に思う。来年も記事で取り上げてもらえるよう頑張りたい」と笑みを浮かべた。
緊張の糸はほどけていない。今週末には海を渡り、来季米ツアー出場権を懸けた最終予選会に挑む。フロリダ州の会場を知る石川遼らからは攻略に向けた助言をもらった。5位以内に入れば米ツアー出場権、40位以内であれば同下部ツアー出場権が付与される。「しっかり出られる順位なら挑戦したい」と下部参戦の意向も明かした上で「もちろん5位以内を目指して頑張りたい」と宣言した。
今年の漢字に「幸」を挙げた24歳。「この位置で戦えたからこそ得たものなので、そういう悔しい経験をできて幸せ」。世界最高峰のツアーへの挑戦で結果を残し「幸」な一年を締めくくる。