ドジャースの大谷翔平投手(30)が、銀行詐欺罪などに問われている元通訳の水原一平被告(39)に無断で購入された32万5000ドル(約5000万円)相当の野球カードの所有権を米カリフォルニア州の連邦地裁に返還を申し立ていた問題で、連邦検察官が2日(日本時間3日)に裁判所に提出した書類で野球カードが返還されることになったことが分かった。スポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」が報じた。
大谷側から26日に連邦地裁へ提出された訴状によると、水原被告は大谷の口座を使用し、今年1月から3月の間にオークションサイト「eBAY」などでベースボールカードを購入。購入は転売目的だったとされており、大谷側は同被告が「無許可で不法に所有していた」として、当局が押収したカードの所有権を主張していた。押収物には大谷が自らサインした自身のカードも多く含まれており、カードの返還を求めていた。
大谷の法務担当は「申立人(大谷)の所有物であり、申立人が書いたサインがあるコレクター用の野球カードが押収時に被告が無許可かつ不正に所有していた」とコメントした。
水原被告の量刑言い渡しの期日について、カリフォルニア州の連邦地裁は12月20日(同21日)から来年1月24日(同25日)に延期することを決定した。弁護側はギャンブル依存症に関する精神科医の鑑定で、水原被告が体調不良を理由に診察をキャンセルし、診察結果が出ていないとして延期を申し立てていた。違法スポーツ賭博で負けた額を取り返すため、大谷の口座から約1659万ドル(約25億円)を盗み、胴元側に不正に送金した。連邦地検との司法取引に応じ、罪を認めている。