J1新潟は2日間のオフが明けた3日、聖籠町のアルビレッジで、J1残留を懸けて戦う8日のアウェー浦和戦に向けて練習を再開した。右太腿のケガが治ったDFトーマス・デン(27)が練習に完全合流。今季での退団が発表され、新潟で最後の試合となる古巣との一戦に出場しようと復調をアピールした。
大勢の新潟サポーターが詰めかける予定の埼玉スタジアムで、引き分け以上の結果を出せば残留を達成できる最終節。しかも相手は古巣の浦和だ。その状況にデンの闘志に火が付いた。
「浦和戦はシーズンで一番楽しみにしていると言っても過言ではない。アルビレックス新潟の一員として出られる最後の試合。チャンスがあれば出たい」
11月中旬の練習で右太腿裏を痛めた。ホーム最終戦だった前節のG大阪戦はスタンド観戦になったが、この日はミニゲームなどの全体練習を終えた後にスプリントテストを行い、上々の数字をマーク。明るい表情で「今の状態はいい」と、最終節に間に合ったことを強調した。
ケガで離脱中に今季限りでの退団が発表された。G大阪戦後のセレモニーで「サッカーへの愛を見つけることができた」とあいさつしたのは、他のチームでは感じられなかったやりがいが新潟にあったからだという。「選手の自主性に任せられる、個性を発揮できるプレースタイルがあった。それがサッカーへの愛という表現になった」。環境も良く、3年間充実した日々を送った。その感謝を示すためにも浦和戦に照準を定めている。
18位磐田との勝ち点差は3。残留するためには負けられない重圧がのしかかる。それでも「プレッシャーは決して悪いものではない。“プレッシャーがダイヤモンドをつくる”(困難や試練が人を成長させるという意味)ということわざがある。恐れずにやって、勝てばより得られるものがある」と前向きに捉え、決戦に向けていい雰囲気をつくる役割も担おうと意気込む。
新潟を離れた後も「うまくなるのに年齢は関係ない。より進化できるようにチャレンジしたい」と言い、向上心は尽きない。その前に最後の仕事として残留を勝ち取る。「チームを助けたい」。堅固な守備で貢献する。