「コリア・レポート」編集長の辺真一氏は4日、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜後1・55)にリモートで生出演。韓国の尹錫悦大統領が3日夜(日本時間同)に非常戒厳を宣布、約6時間後に「解除」を表明し、大混乱を招いていることについて言及した。
尹大統領は、最大野党「共に民主党」が議席の過半数を握る国会を利用して国政や司法をまひさせているとして「憲政秩序を守るため、非常戒厳を宣布する」と44年ぶりに非常戒厳を宣言。国会に軍が介入するなど大混乱。国会では非常戒厳の解除を求める議決案を過半数で可決し、宣言から約6時間後に解除された。
辺氏は「韓国の国際的評価を下げましたね。尹大統領は使ってはいけない禁じ手を使ってしまったという。逆に言うと、それだけ追い詰められたということ」と指摘した。
戒厳令について「基本的には政治状態、交戦状態、あるいは内乱のような事変、さらにはそれに準ずるような国家非常事態のときに発令、宣布される」と解説。現在、北朝鮮の脅威は薄れているのではないかとした上で、「国会で3分の2近く占めている野党の議員たちを犯罪集団扱いしている。犯罪集団が国家の転覆を企てようとしている、それも北朝鮮に追随してと。それを成敗するという形で戒厳令を宣布したんですけども、私からすると被害妄想じゃないかと思わざるを得ない」と持論を述べた。
過去2度の戒厳令が成功したのは軍事政権下での宣布だったことに触れ、「尹大統領は民間人、検察出身の大統領。戒厳令の使い方、万が一、抵抗にあった場合はどうするとか、緻密に念入りに計画を練ってやったっていうような印象は受けない。そういう意味では尹大統領が素人の政治家、素人の大統領と言われる1つのゆえんじゃないですかね」とした。
また、「戒厳令のうわさが9月頃から、ちょっと流れ始めた」ことも明かした。一度そのうわさは立ち消えたものの、「野党は常に構えていたことは間違いないと思う。だから対応が早かった。逆に与党は2つに対応が分かれてしまった」と与野党の対応の差を指摘した。
今回の非常戒厳について「信じられない」と驚きを隠せず、「内乱罪を理由に戒厳令を仕掛けたんだけども、結果、尹大統領が内乱を起こしたと、内乱罪で逆に追及されるような状況に追い込まれた。尹大統領の賭けは裏目に出た」と語った。