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堀潤氏 戒厳令で揺れる韓国ソウルで現地取材 デモ禁止の中、深夜に国会前に集まった民衆の動きに「感銘」

スポニチアネックス 2024年12月4日 19時16分

 元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏(47)が4日放送のTOKYO MX「堀潤 Live Junction」(月~金曜後6・00)に韓国からリモート出演。3日夜に尹錫悦大統領が野党側が国政をまひさせているとして「非常戒厳」を宣言、6時間後に解除した件を現地からレポートした。

 尹大統領は、最大野党「共に民主党」が議席の過半数を握る国会を利用して国政や司法をまひさせているとして「憲政秩序を守るため、非常戒厳を宣布する」と44年ぶりに非常戒厳を宣言。国会に軍が介入するなど大混乱。国会では非常戒厳の解除を求める議決案を過半数で可決し、宣言から約6時間後に解除された。また、国会前では警察車両、軍の車両も多く詰め掛けた周囲を多くの市民が取り囲んだ。

 戒厳司令部は、布告令で「国会や地方議会、政党の活動と、政治的結社、集会、デモなど一切の政治活動を禁じる」などと打ち出した。堀氏は一夜明けたソウルで「市民の皆さんもいったい何が起きているのかわからないまま、朝を迎えた方もいるくらい」と語り、早期解除となった理由を「市民の皆さんが、自分たちの力で民主主義を守るんだと、深夜多くの方が国会前に詰めかけて軍が国会に侵入するのを必死に止めていた」と語った。

 また「深夜、多くの人たちが、若者たちも自分たちの民主主義を守るために、今集まらない位でいつ集まるんだ、怖いけど今行くんだと言って、国会議事堂の周りに集結して、軍人たちと向き合った。そのおかげがあって、市民が決してこの戒厳に対して賛同しないんだということを内外に打ち出したということもあって、政治的に早く解決しようという議員の動きにつながった。そういう事態が起きた時に、体がきちんと動く、そういうところに感銘を受けました。多分大丈夫だろうと、正常性バイアスの中にいるのではなくて、まるで避難訓練を続けてきたかのように、ダメだ、今集まらなきゃ民主主義が消えるぞ、そういうアクションは素晴らしかった」と感想を述べた。

 さらに戒厳令下では言論、出版などが軍の統制下に置かれるが、今回の韓国メディアについて「戒厳令が出たとしても従わなかった。国会に駆け付けて、放送、配信、取材をやめなかった。そしてSNSの時代ですから、若者たちはYouTube、配信を見ていましたという言葉がたくさん聞こえてきました」と語った。

 その一方で、一部のSNSなどが遮断されたが、「全てのインターネットが遮断、停波されたのではなく、政治的なメッセージを発進するSNSとかホームページがターゲットになったという声があった。当局側も、インターネットの規制は細かくやったのかなという印象でした」と、戒厳令宣布の準備を勧めていたと推測していた。

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