◇F1第24戦アブダビGP 決勝(2024年12月8日 ヤスマリーナ・サーキット=1周5.281キロ×58周)
F1歴代最多タイ7度の総合優勝を誇るルイス・ハミルトン(39=英国)が、メルセデスでのラストレースを終えた。来季フェラーリへの移籍が決まっているハミルトンは8日に決勝が行われた今季最終戦アブダビGPで、16番手スタートから追い上げて4位フィニッシュ。2013年から12シーズンの在籍で6度の総合優勝と8度のコンストラクターズ(製造者部門)タイトルをもたらした銀色のマシンに別れを告げた。
最終周で同僚ジョージ・ラッセル(英国)をかわして4位に入ったハミルトンは、ホームストレートで華麗なドーナツターンを披露。マシンを降りるとしゃがみこみ、名残惜しそうに車体をなでた。アブダビでは3年前にレッドブルのマックス・フェルスタッペン(オランダ)との壮絶なバトルの末に2位に終わり、ドライバーズタイトルを奪われた。その後2年間は勝てなかったが、今季は2勝を挙げて健在ぶりを示していた。
メルセデスのトト・ウルフ代表はレース後のチーム無線で「世界チャンピオンの走りだったよ」と元世界王者をねぎらった。ハミルトンも無線を通じ「ボクたちは1人で夢見ていたけど、一緒に信じていた。自分を応援してくれた勇気、決意、情熱に感謝したい。信念を超えてのスタートが、歴史に残る旅になった」と、同代表とエンジニアのピーター・ボニントン氏に呼びかけた。
来季はフェラーリの一員として、ミハエル・シューマッハを超える通算8度目の総合王者と、名門にとって08年以来となるコンスラクターズ制覇を目指す。レース後は来季同僚となるシャルル・ルクレール(モナコ)やウィリアムズへ移籍するカルロス・サインツ(スペイン)らフェラーリ勢とあいさつをかわした。メルセデスとの契約が年末まで残るため、フェラーリのマシンに乗るのは年明けになりそうだという。