◇フィギュアスケートGPファイナル最終日 (2024年12月7日 フランス・グルノーブル)
男子は、22年北京五輪銀メダルの鍵山優真(21=オリエンタルバイオ・中京大)がフリー1位の188・29点をマークし、合計281・78点で自己最高の2位に入った。ショートプログラム(SP)2位から意地を見せ、頂点に迫った。SP4位の佐藤駿(20=エームサービス・明大)はフリー3位の合計270・82点で初表彰台の3位。世界王者でSP首位のイリア・マリニン(20=米国)がフリーは2位となり、292・12点で2連覇した。
鍵山が、フリーで意地を見せた。「内臓がぎゅっとつかまれているような」緊張感に襲われながら、試合では不調の大技4回転フリップを成功。SPで転倒した4回転サルコーは回転が抜けるミスとなったが、2本の4回転トーループでは出来栄え評価(GOE)で2点以上の加点を引き出し、ミスが相次いだマリニンをフリーで上回った。
SPでの大差がなければ、勝敗は分からなかった。「メダルを獲れたことは素直にうれしい。でも、優勝も狙っていたので悔しい」と振り返った。合計の自己ベスト310・05点とは言わないまでも、自らの力を出し切って300点超えすれば頂点に立っていた。最高レベルを獲得できなかった終盤のスピンやステップ、「また自分に負けました」とこぼしたように克服できなかった精神面のもろさなど、課題は明確になった。
帰国後は20日開幕の全日本選手権(大阪)が待つ。マリニンとの距離は「まだまだ程遠い」と反省する日本男子の次世代エースは全日本優勝の経験がない。近いようで遠かった王者の背中。来年3月の世界選手権での再戦に向け、まずは全日本王者の称号獲得を目指す。