◇プロボクシング「Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 126」東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ 中嶋一輝《12回戦》辰吉寿以輝(2024年12月12日 東京・後楽園ホール)
元WBC世界バンタム級王者・辰吉丈一郎(54)の次男で、東洋太平洋スーパーバンタム級6位の辰吉寿以輝(28=大阪帝拳/17戦16勝10KO1分け)が11日、都内で初のタイトル戦の前日計量に臨み、リミットを300グラム下回る55・0キロで一発クリア。1回目で約10グラムオーバーした王者・中嶋一輝(大橋/19戦16勝13KO2敗1分け)は、下着を脱いでから再計量しリミットの55・3キロでパスした。
体重計に乗った辰吉は思わず声を漏らした。「えっ!?そんな減んねや」。リミットちょうどで自宅を出たはずだったが、まさかの300グラムアンダーには驚きの表情を浮かべながらも「順調に進んだ。これまでの調整の中でもうまくいった方」と仕上がりに自信を示した。
15年4月にデビューした辰吉は、プロ10年目で次戦が初のタイトル挑戦。「親父同様気合でやろうかな。やることはやってきたので。12回戦うつもりはもちろんないが、戦える体はつくってきた」と自信満々。挑戦する王者・中嶋は9月に元東洋太平洋同級王者の和気慎吾(37=FLARE山上)を2回KOで下すなど強打が武器だが「パワフルにはパワフルで対抗」と真っ向から挑む覚悟だ。
父・丈一郎は90年9月、後楽園ホールでプロ4戦目を行い日本バンタム級王座を獲得した。試合前、父からは「気合や」とエールを送られたといい「(KOは)辰吉家の美学」と23年8月以来、約1年4カ月ぶりのKO決着を見据え、父と同じ舞台で初のベルトを巻く姿を思い描く。
20年11月以来、4年ぶり3度目の“聖地”での一戦へ「鍵は勝負強さ。相手のパンチは当たっても倒れる気はない。最後に倒したもん勝ち」と気合十分に話した。
対する2度目の防衛戦に臨む中嶋は「状態は完璧。関西同市の対決に気合入ってます」と闘志。2戦連続のKO決着へ「注目度も高いしやりがいがある。倒せるときに倒せればいい」とベルトを死守する。