自民党の河野太郎前デジタル相(61)が11日、BSフジ「BSフジLIVEプライムニュース」(月~金曜後8・00)に生出演し、今後の選挙とSNSのあり方について私見を語った。
今年になって国政選挙、地方選挙でSNSを駆使して躍進した候補や党が注目を浴びる機会が増えた。7月の東京都知事選では、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が、YouTubeなどを巧みに利用して旋風を起こし、165万票を獲得して次点に。10月の衆院選では、国民民主党が4倍増の28議席に伸ばし、11月の兵庫県知事選では、パワハラなど数々の疑惑を受けて不信任を決議され、失職した斎藤元彦知事が再選した。
一方でSNS上には、対立候補に対する真偽不明の情報が横行するなど問題が深刻化しており、石破茂首相は3日の衆院での代表質問で「表現の自由に十分配慮しながら、必要に応じて法規制を含むさらなる対応を検討する」と、対策を示唆した。
この議論について河野氏は、まずSNS社会に法整備が追いついていない現状を指摘。「“SNSにアップするところを会社に頼むと運動員買収だ”という一方で、“動画を切り抜いて再生すると金が入るから、お金入りそうなところはどんどんやります。プラットフォームから金が来るから運動員買収にはなりません”というのは、少し考えていかないといけない」と問題視した。
SNSでは再生した動画履歴から、類似のお勧め動画がアルゴリズムで検索されるため、意見や考え方が一方的になることが指摘されている。エコーチェンバー、フィルターバブルなどと呼ばれる状況で、河野氏は「自分に見たものを近いものをアルゴリズムで出してくるから、みんな同じものを見ているんだと思っている人が、思いのほか多かった。テレビはみんなに同じような情報が流れますけど、SNSもそういうもので、自分が見ているものがみんなも見ていると思っている方が結構いて」と、懸念を示した。
その上で河野氏は「アルゴリズムの規制は、最終的にできるのか難しいのかという議論はありますが、結局いろんな国で分断が起きているのは、結局アルゴリズムによって同じようなものしか見なくて、エコーチェンバーとかフィルターバブルというものに吸い込まれて、分裂していく」と指摘した。「それがSNSだけじゃなく、実社会でも分裂を生んでいると考えると、そこを考えていかないと、これからの民主主義というのは難しくなるんじゃないかな」。今後起きうる自体を想定しつつ、「それと表現の自由と、どうクロスしていくのは、凄く難しいと思いますが、何かやらんといけない」と訴えた。