4年ぶりのリーグ制覇を果たしたソフトバンクは10日(日本時間11日)、優勝旅行先の米ハワイ入りした。日本ではロッテが国内フリーエージェント(FA)権を行使した石川柊太投手(32)の獲得を発表。小久保裕紀監督(53)は石川が抜けた穴を埋める若手投手の台頭を期待し、難敵と化す右腕の攻略を掲げた。優勝記念パーティーでは400人を超える“ホークスファミリー”の前でリーグ連覇と日本一奪回を誓った。
FA権を行使していた石川がロッテ移籍を発表した。ハワイV旅行中に“吉報”は届かなかったが、小久保監督はしっかりと前を見据えた。
「もちろん残ってほしかったけど(FAは)自分が得た権利ですから。日本シリーズが終わった時点で(先発の)4番手でしたからね。いる人たちからしたら余計チャンスですよ」
今季の石川は7勝2敗、防御率2・56をマーク。9月以降は無傷の5連勝を飾った。経験も豊富で、その穴は小さくないが、若手にとってはチャンスも生まれる。目の色を変えて猛アピールするニューヒーローの台頭に期待を込めた。
リーグ連覇のためには右腕を攻略しなければならない。石川はZOZOマリンで17年8月の黒星以来、7年間で7連勝中だ。強い海風が吹く同球場ではパワーカーブなど変化球の威力が増し、今季も3試合で2勝0敗、防御率0・00の好相性を誇った。20年に最多勝と最高勝率に輝いた実績もある。23年にはノーヒットノーランを達成するなど爆発力も秘めている。実力を熟知している指揮官は“難敵”として警戒した。
「(ZOZOマリンの好成績は)今年だけじゃないからね。ずっとそんな感じなので。ロッテ球団としても、それを分かった上での条件提示だったと思うし。あの風を味方にやっかいな投手が加わるというのは間違いないです。しっかり対策を立てて、真剣勝負でやっていきます」
指揮官はV旅行初日のこの日、買い物などをして楽しんだ。優勝記念パーティーでは選手、首脳陣、スタッフ、そして家族の労をねぎらいつつ、「最後に日本一に届きませんでした。その悔しさを持ちながら、来年はまずリーグ連覇を最大の目標に掲げ、今年獲り損ねた日本一を達成して、ここハワイに戻って来たいと思います」と宣言した。
石川が加入したロッテなどパ・リーグのライバルが「打倒ホークス」に燃える来季に備え、常夏の地で“ご褒美”の時間を過ごして英気を養う。(木下 大一)