川崎フロンターレは12日、来季のトップチーム監督に長谷部茂利氏(53)が就任すると発表した。
長谷部新監督は川崎FのOBで、今季限りで福岡の監督を退任していた。クラブを通じ「来シーズンから監督を務めることになりました長谷部茂利です。クラブ創設初年度に在籍したフロンターレに、このような形で戻ってこられることをうれしく思っています。これまで在籍された監督、スタッフ、選手が築き上げてこられたフロンターレらしさを大事にしながら、さらにそのサッカーを進化させ、川崎市民の皆様、ファン・サポーターの皆様、パートナーの皆様と一緒にタイトル奪還を目指して戦ってまいります。応援よろしくお願いします」とコメントした。
1997年にJFL時代の川崎Fに在籍経験がある長谷部氏は、2003年に市原(現千葉)で現役を引退。千葉や水戸などでのコーチ、監督を経て20年にJ2だった福岡の監督に就任し、1年目に5年ぶりのJ1昇格を達成した。粘り強い守備からの速攻で昨年はクラブ初タイトルとなるルヴァン杯優勝を果たし、J1でもクラブ史上最高の7位に食い込んだ。柔軟な戦術やシステムの使い分けなど限られた戦力で選手やチームの力を最大限引き出す手腕は高く評価されている。
川崎Fは在任8年で7冠の鬼木達監督が今季限りで退任。「止めて蹴る」の基礎を徹底してボールをつなぎ、攻撃的に戦うスタイルやアカデミー重視、地域密着の基本理念を受け継いでいける後任の選定に動き、候補をクラブOBでもある長谷部氏に一本化していた。新指揮官の下、4季ぶりのJ1王座奪回に向けて準備を進める。