弁護士の八代英輝氏が12日、TBS系「ひるおび」(月~金曜前10・25)にコメンテーターとして生出演し、和歌山県田辺市の資産家野崎幸助さん(当時77)を殺害した罪に問われた元妻須藤早貴被告(28)に、無罪判決が下されたことについてコメントした。
「紀州のドン・ファン」と呼ばれた野崎さんに対し、須藤被告は18年5月、何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させ、殺害した罪に問われていた。犯行を立証する直接証拠に乏しい中、検察側は須藤被告が薬物を購入したとする元売人の証言や、被告が死亡前後に「覚醒剤 死亡」「完全犯罪」などといった言葉をネット検索していたことなど、あらゆる状況証拠を積み重ねた。一方で須藤被告は、ネット検索について「不気味な事件を調べることは好きだった」と、あくまで興味からの検索だったと主張した。事件性、犯人性ともに否認していた。
双方食い違う主張に、下った判決は無罪だった。八代氏は「私たちは恐らく無罪になるのではと想定していました」と、判決前の見通しを打ち明けた。「覚醒剤を摂取させた方法が立証できていないというのと、客観的な証拠が非常に乏しいということ。たとえば検索履歴であったり、そういったものしかない」と説明。「この時点で殺害する動機というものも、特に見当たらない。しかも本人の自白もないということで、立件できていないんじゃないか」と疑問を呈し、「検察がどう出るか注目ですね」と、検察側が控訴に踏み切るかどうかに関心を示していた。