広島・大瀬良大地投手(33)が13日、マツダスタジアムで自主トレを行い、オリックスにFA移籍する九里亜蓮投手(33)に惜別のメッセージを送った。13年ドラフトの同期入団で切磋琢磨(せっさたくま)してきた球友と握手を交わした右腕は、今オフ新たに広島と2年契約を締結。来季へ向け「(九里に)負けられない」と意気込んだ。
大瀬良はオリックスに移籍する九里に惜別のメッセージを送った。マツダスタジアムで、前日の移籍発表後から初対面。固い握手を交わすと、新天地での活躍を願った。
「ありがとうという感じで握手をして。頑張ってと(激励した)。ここまで同期で一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してやってこられた。これからは別のチーム、別のリーグになりますけど、お互い頑張れたらと思う」
13年ドラフト1位の大瀬良にとって、同2位の九里は良き球友だった。互いに1年目から先発ローテーションの一角を担い、11年間、ともにしのぎを削ってきた。練習では、キャッチボールのペアを組み、日頃から意見交換するなど、気の置けない間柄。今季は5年連続で務めた開幕投手を初めて九里に譲る形となり、大役を担う報告を受けた際には「おめでとう、頑張って」と祝福した。同時に「自分も頑張らなくては」と刺激をもらった。
「一番身近にいた存在なので。いい関係でここまで来られた」
来季は違うユニホームを着てプレーすることになる。高め合う関係性は変わらないが、交流戦で投げ合うケースもあるだろう。「そうなったら負けられない。負けたら、カープファンにめちゃくちゃ怒られると思う。大瀬良が(広島に)残って良かったと思ってもらえるように、しっかりと来年以降も頑張っていかないといけない」と決意を新たにした。
今オフ、3年契約を終えて新たに2年契約を結んだ大瀬良は、34歳となる来季は投手最年長となる。先発陣の中心を担った九里がチームを去ることで戦力ダウンは否めないが、背番号14は前を向く。
「カープとしては4位で終わっているし、(九里の移籍で)名残惜しくというよりかは、しっかりやらなくてはいけないという気持ちの方が強い。来年優勝できるようにという気持ちの方が強くなった」
先発の枠が一つ空くことで新たな競争も生じる。12年目を迎える来季。より一層の自覚を胸に、屋台骨を支える覚悟だ。(長谷川 凡記)