今春のセンバツは健大高崎(群馬)の初優勝で幕を下ろしたが、最も強烈な印象を残したのは報徳学園(兵庫)だった。
愛工大名電(愛知)、常総学院(茨城)と強豪校を次々に撃破。準々決勝では同じ近畿のライバル・大阪桐蔭を4―1で破った。
そして準決勝では中央学院(千葉)を4―2で下し、2年連続の決勝の舞台へ駒を進めた。
今朝丸裕喜、間木歩(いずれも3年)のWエースの背中を押したのはスタンドの圧倒的な応援スタイルだった。
ダンス曲「サンバ・デ・ジャネイロ」のメロディーに合わせてメガホンを振りながら「アゲアゲホイホイ!」のかけ声で踊る応援は、2010年代後半に報徳学園が始めたといわれる。
新型コロナウイルス感染予防で禁止されてきた声出し応援が、2023年センバツから解禁。誰もが歌えて踊れる「アゲホイ」は、脱コロナ禍の象徴的な応援スタイルとして甲子園に定着した。
決勝では今朝丸の力投もむなしく2―3で迎えた9回。報徳学園応援席だけではなく、地元・兵庫の高校野球ファンが埋めた外野席も巻き込んでエンドレスで叫び、踊り続けた。まさに圧巻だった。
結果は2年連続の準優勝。
リベンジを期して挑んだ夏の甲子園では1回戦で、今度は島根の公立校・大社の勢いに飲み込まれることになる。