優勝旅行先でも休みはない。ソフトバンクの山川穂高内野手(33)が“ハワイ無休トレ”で来季もアーチを量産する。自主トレをともにするリチャード内野手(25)の尽力もあり、みっちり動けるトレーニング施設を確保した。頼もしい4番がリーグ連覇、日本一奪回へ導く。
常夏の島でも練習の鬼として知られる山川にオフはない。「僕にとっては普通です。ほぼ、ここ(ハワイ)には遊びに来てないというか。ここで休んだらゼロになってしまいますからね。ここからスタートをかけられる人ならいいですけど、僕の場合は違うので」と当然だと言わんばかりだった。
行動をともにする愛弟子・リチャードの尽力もあり、みっちりと体を動かせる施設も確保することができた。「4、5時間くらい、しっかり動けば補える」。午前10時から4時間ぶっ通しで練習するなど、異なる環境に刺激を受けながらトレーニングを重ねている。
来年1月は4日から沖縄・久米島で自主トレがスタート。27日まで無休状態で鍛え上げる。そこに向けた準備として大事な期間でもある。ハワイならではのメリットも感じている。「暖かいところでやるので芯から熱が出るというか汗が出るので。そこは、めちゃくちゃいいと思います」
今季は全143試合に4番として出場。打率・247、34本塁打、99打点をマークし、本塁打と打点の2冠を獲得した。リーグ優勝と合わせた3つの“頂点”に照準を合わせ見事に成し遂げた。ただ、それでも「個人的には全然納得していない」と言い切っている。
「言い出したら切りがないですけど…」。理想の数字としては本塁打40発、120打点、そして打率・270を掲げる。もちろん、2年連続で4番として全試合出場することも、こだわっていく大事なポイントだ。来季から尊敬する松田宣浩氏(本紙評論家)がホークスで背負ってきた背番号5となる。新たな背番号のもとで、さらにチームを引っ張っていく。
英語が堪能なリチャードのアテンドに「頼もしいです」と笑みを浮かべた山川。今オフからは弟子の覚醒もより徹底的にサポートしていくつもり。師弟でアーチを量産し、最高のシーズンとする。 (木下 大一)
○…リチャードが“ハワイ自主トレ”に充実した表情だった。自ら志願して山川に厳しくしごいてもらっている。「いつもは福岡の慣れたところでやっているのできつさは倍に感じますけど、ここだとフレッシュなのでやりやすいです。いじめられているというより、ちょっと気持ちいいです」と笑みを浮かべた。