“和歌山プライド”を胸に、最下位から巻き返す!西武・西口文也新監督(52)が14日、母校の和歌山商を訪問し、監督就任の報告を行った。パ・リーグの同県出身の指揮官はソフトバンク・小久保裕紀監督(53)、ロッテ・吉井理人監督(59)と合わせて3人目。まずは投手陣を再整備し、今季に大きく負け越した両球団に対する雪辱を誓った。
生徒や学校関係者から盛大な拍手を受け、西口監督は和歌山商に足を踏み入れた。母校訪問は西武からのドラフト3位指名の報告で訪れた立正大時代の94年以来、実に30年ぶり。創立120周年を迎えた学びやで「何とかここまで来られました。母校の名に恥じないように頑張っていきますのでこれからも応援よろしくお願いします」と頭を下げた。
和歌山県民として負けられない戦いが始まる。来季、パ・リーグでは同じ和歌山出身のソフトバンク・小久保監督、ロッテ・吉井監督の両先輩監督との対決が待っている。今季はリーグ優勝したソフトバンクに8勝17敗、ロッテにはプロ野球ワースト記録となる開幕16連敗を喫するなど4勝21敗と大きく負け越し、計91敗で3年ぶりの最下位。「今年は両先輩監督にやられすぎた。何とか来年はやり返したい」と小久保監督が在籍した和歌山市立西和中にも近い母校で逆襲を強く誓い、その後は中華料理店でソウルフードの「和歌山ラーメン」を食べて英気も養った。
「守り勝つ野球」を掲げる西口監督が、初の大仕事として「守護神・平良」を実現させた。秋季キャンプ中に直接、来季の中継ぎ再転向を打診。強い先発希望で一度は契約更改交渉を保留した右腕だが、前日の2度目の交渉で納得してサイン。改めて電話で「来年は抑えを任せる」と伝えた。21年は20セーブを記録し、22年はセットアッパーで61試合登板して防御率1.56で最優秀中継ぎのタイトルを獲得した160キロ右腕については「三振が取れる抑えがいると違う。制球力が良いのは分かっているので、安心して任せられる」と信頼を寄せる。
今井、高橋、隅田、武内ら先発陣と守護神・平良が機能すれば難敵のソフトバンク、ロッテに勝ち越してAクラス、その先の優勝も視野に入ってくる。“和歌山プライド”を胸に白星を積み重ねる。(福井 亮太)