プロボクシング興行「U―NEXT BOXING」が15日、大阪・HOS住吉SC(住吉スポーツセンター)で開催された。
WBOアジアパシフィック(AP)ミドル級タイトルマッチは王者の国本陸(27=六島)が初回2分39秒、TKOで同級2位の挑戦者・竹迫司登(33=ワールドスポーツ)を下し、2度目の防衛に成功した。
勝負を決めた直後に国本は雄叫びを上げた。リング上のインタビューを受ける際に目がうるんでいた。「本当に竹迫さんに感謝の気持ちでいっぱいです。今回は絶対にやり返す、と思っていた。勝てて本当に良かった。強い竹迫さんに勝てたのが一番うれしい」。感極まった表情で語った。
顔の前に両腕を掲げガードをがっちり固めた。竹迫が細かく突いてくるジャブを受けながら「これならイケる」と、むしろ手応えをつかんだ。試合へ向けた練習でオーストラリアから招へいしたスーパーミドル級のスパーリングパートナーのパンチほどの威力を感じなかったからだ。右ボディーから、力強く振った右フックがヒット。竹迫は膝から崩れるようにダウンした。再開後に打ち返されても、ひるまない。打ち下ろしの右を2発入れてダウンを奪い、レフェリーストップを呼び込んだ。
21年5月のプロ5戦目、日本ミドル級タイトルマッチで王者の竹迫に初回KO負け、初黒星をつけられた。「竹迫さんに負けて、ガードをしないとアカンと気づいた。自分を過大評価せず、一つ一つ課題に取り組めた」。初回KOで苦杯をなめさせられた相手に見事な“初回KO返し”でリベンジした。
今後について「ミドル級で、すぐに世界へ、とは言えないけど一歩一歩、進んでいきたい」。ミドル級の国内第一人者と目された竹迫を倒し、意気上がる。