女優の吉高由里子(36)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は15日、最終回「物語の先に」が放送された。当初は不安視の声もあった“平安大河”だが、史実と創作を巧みにミックスした作劇、余白や余韻のある演出、キャストの熱演をはじめ、音楽・美術も一体となり、視聴者を魅了。インターネット上には「光る君へロス」が広がった。吉高は主人公・まひろ(紫式部)を魅力的に演じ切った。オンエア後、撮影現場からの音声コメント「君かたり」が番組公式SNSにアップされた。
<※以下、ネタバレ有>
「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となった。
――まひろにとっての道長の存在。
「支えることで支えられていたし、助けているっていう立ち位置で自分が助けられていたという感じですかね。常にどっちかが光っている時はどっちかが影になっていてと思っていたけど、全部支えているようで支えられているかたちになっていたのかなって感じましたね」
――クランクアップを迎えて。
「ちょっとした日常のささいな課題が自分を明日に向ける原動力になっていたんだなと思ったし、それが大河ドラマの日々の撮影だったのかなと思って。終わってすごくホッとした感じはあるけど、どういう気持ちになるんだろうというのはまだ実感がわかない。これも何の涙なのか分からないし。うれしいのか、ホッとしたのか、さみしいのか、ちょっと空っぽになっちゃったかなとも思ったし。そう思う分だけ充実していたんだろうなと思う。きょうとかも最後、みんなの顔を見て“はぁ…”って、“本当にさよならだ”と思ったし、同じ船に乗ることが何度も巡り合わせであるかもしれないけれど、巡り合う確率って本当に奇跡のようなもので、もう同じ番組は作れないし、全く同じキャストとかスタッフさんとも集まれないだなって。当たり前だけど日々カウントダウンしていく1日1日が、何とも思わないで消耗していくこともあれば、奪われていくような寂しさもあれば、終わりに近づいていく達成感の気持ちの助走的な気持ちになったり、高揚感があったりとかもして、すごくいろんな感情に出会わせてくれた期間だったなというふうに思います」