経済アナリスト森永卓郎氏(67)が16日、文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(月~金曜後1・00)に生出演し、政府の予算編成と能登半島の被災地復興の遅れについて解説した。
番組では、22年度の補正予算32兆円のうち、4割近い11.7兆円が年度内に使われず、翌年度に繰り越されていたことが会計検査院などへの取材で判明したとの一部報道を紹介した。補正予算は年度内の執行が原則となっており、国民からの過剰徴税を指摘する声が上がりそうだ。
今年度の補正予算では、ようやく能登半島地震の復興対策費が盛り込まれた。森永氏は「今回能登の復興対策、ここで初めて入ってきたんです。今年の元日に起きているんですよ?1年、補正組まなかった」と、政府の対応の遅さを批判。「震度7以上の地震で、初めての事態なんです。能登の人たちが苦しんだ一つの原因が、補正対応がめっちゃくちゃ遅かったということ」と、あらためて“人災”の一面を指摘した。
石破政権はこれまで、能登の復興に補正予算を組むことなく、予備費の拠出で済ませ、解散総選挙を急いだ結果、大敗した。森永氏は予備費と補正予算について解説。「予備費では手当をしていたんですけど、補正予算はバサっと行くんです、被災地に。具体的の細かい使い方は現地で考えてね、というのが補正予算。予備費は項目ごとに全部、ちょこちょこ引き出さないといけない。そのたびにチェックされるので、遅いんですよ」と、同じ金でも額や自由度、即効性に違いがあるとした。
能登半島地震では、震災後の心身の消耗などによる災害関連死が241人に上り、直接死の228人を上回った。241人のうち9割は70歳以上のお年寄りだった。大竹が「体に疾患も出てきますよね」と指摘すると、森永氏は「お年寄りは、だから丁寧に救ってあげなければいけなかったのに、今回それができていなかったと思う」と同意。「また大きな地震がどこかで必ず来るので、これを教訓にして(欲しい)。お年寄りを大切にしようと、ずっと私は言っているんですけど、なかなか同意が得られない」と嘆いた。