アジア史上最大の格闘技団体「ONE Championship」(ONE)は、16日に都内で会見を行い、25年3月23日にさいたまスーパーアリーナで「ONE172」の開催を発表。さらにメインイベントでは、K-1元3階級制覇王者でISKA世界ライト級王者の武尊(team VASILEUS)と元ONEフライ級ムエタイ王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)のドリームマッチが決定した。
「格闘家人生だけじゃなくて命を懸けた試合をする」。
昨年4月にONEと複数試合契約した武尊。ONEと契約した理由は同じファイトスタイルであるロッタンと対戦するためだった。ONEデビュー戦となった今年1月28日のONE日本大会で一度はロッタンとの対戦が決定していたが、ロッタンのケガにより対戦が消滅。代役のONEフライ級キックボクシング世界王者スーパーレックに挑戦したが、死闘の末に敗れた。試合後には引退示唆もあったが、再起を決意。今年9月の復帰戦では、逆転KO勝利で白星を飾った。
そして待ち望んだロッタンとの対戦が再び決定した。「やっとロッタン戦えるのは、凄くうれしいし、いろんなことがあって試合が流れたりしたんですけど、こうやって試合が決まるということは引き寄せ合う運命だった。世界のデカい大会でメインイベントをさせてもらえるのも凄くうれしい。そのメインにふさわしいような最高の殴り合いの試合をロッタン選手とやりたいと思っている」と感慨深さを口にした。
“世界最強”と表現するロッタンの印象について「同じ階級じゃなかったとしても、世界でこれだけかみ合うファイターはいない。そういうのもあって、ずっと戦いたい選手だった。本当に強い選手ですし、殴り合いだったり、激しい部分もフィーチャーされてますけど、凄い技術があって、ムエタイの技術もあるし、最近の試合でも本当細かいテクニックやディフェンス能力だったり、いろんなものを兼ね備えてる選手」と説明。
その上で「この階級で世界最強のファイターだと思うので、格闘家をやっている以上は世界最強を証明するためにロッタン選手を倒す」と誓い、この試合で「格闘技の歴史の中で一番の戦いができる」と約束した。
この試合が格闘家としての集大成になると明言。「この試合は本当自分のために思いっきり戦いたい。勝ち負けはもちろんそうですけど、自分が格闘家として満足できるような本当の壊し合いができるのがロッタン選手。だから試合関係なくただロッタン選手と殴り合いがしたい。そこに持って行けるような自分の展開にしたい」と話した。
そして「もちろん日本代表として戦うんで、日本を背負ってるし、日本の格闘技界も背負って戦うんですけど、今までデビューしてから、K―1チャンピオンになって、ずっとベルトだったり、団体だったり日本だったりいろんなものを背負って戦ってきて、それはそれで僕に良いエネルギーを与えてくれたんですけど、今回は格闘家として集大成の試合になる。明言はできないですけど、僕はもうこの試合を最後のつもりで全て出し切ろうと思って、この試合のことしか考えてない。」と意気込んだ。