スポニチ読者はもちろん、プロ野球関係者にも隠れファンが多い名物コーナー「隠しマイク」。24年は321人が登場し、827本の面白マイクが紙面をにぎわせた。栄えある第15代「隠しマイク大賞」はDeNA・三浦大輔監督(50)に決定!リーグ3位から成り上がりでの日本一を達成し、隠しマイクでも史上初の2度目の受賞を果たした。大のDeNAファンの漫画家・みずしな孝之さん(51)から記念のイラストが贈られた。
隠しマイク大賞史上初となる2度目の戴冠。三浦監督は「ありがとうございます。何が決め手なの?組織票?」と冗談を交えつつ、「大変名誉ある賞を頂いて感動しています」と喜んだ。リーグ3位からの成り上がりで26年ぶりの日本一。オフも引っ張りだこだが新たな勲章が加わった。
今年2月から10月まで。質、量ともに大賞にふさわしい活躍だった。雨の日も風の日も、試合前には必ず担当記者による囲み取材を実施。質問に真摯(しんし)に答える一方、ウイットに富んだ返答で場を和ませてきた。その一部が隠しマイクとして紙面を飾り、計70度の登場は全体トップ。「自分は“質”を大事にしたいと思っている」とマイクへのプライドものぞかせた。
今回、特別イラストを描いたみずしなさんは、前回日本一の98年当時、横浜の選手が登場する4コマ漫画「ササキ様に願いを」を連載。現役だった三浦監督は「みずしなさんに色紙にイラストを描いてもらって、今も実家に飾ってある」とのエピソードも明かした。(鈴木 勝巳)
≪記念イラスト贈呈 みずしなさんは昔の自分に感謝≫記念のイラストを贈呈したみずしなさんは、三浦監督が昔の色紙を実家に飾っていると聞き「スーパーレジェンドの方が自分のことを覚えてくださっていて…。昔の自分に“ありがとう”と言いたい!」。今季も球場に何度も足を運び、SNSにも選手のイラストなどを投稿。「“日本一になるぞ!”という思いをみんなで共有できた。それがこんなにうれしいんだと。26年前の印象が強かったけど、ようやく更新できました」と笑顔で話した。
▽スポニチ隠しマイク ベンチ裏などで選手や関係者が発した笑い&涙ありのコメントを読者に届けるスポニチの名物コーナー。90年2月の春季キャンプから現在の形になり、20年はコロナ禍の影響で掲載なし。今年で35回目を迎えた。過去には「プロ野球隠しマイクでごめんなさい」(青春出版社)、「プロ野球“名言妄言”伝説1200」(さくら舎)と2度書籍化された。
【三浦監督傑作選】
◎気温2度の中で囲み取材に対応し「スキー場にいるみたいです」。先発の東には「前回(2日に)北九州で投げた時も雪が舞っていた。雪男?あまり雪男って聞いたことないけど、2回連続だから…」。雪山に潜んでいそうですが。(3月9日付)
◎ベルーナドームの左翼上部の05年6月3日にカブレラに浴びた推定180メートル弾の記念プレートを見つめ「2年に1度来てますからねえ。19年前?そんなになる?何年後かに誰か塗り替えてくれればね。牧とか…」。190メートル弾に期待です。(6月15日付)
◎横浜スタジアムは気温35度超の猛暑。通常ベンチ前での取材を空調の効いた室内に変更し「皆さんのことを考えてです。決して自分のことだけを考えてではない。高齢の方いますか?やばいでしょ?」。ハマの番長は気遣いの男です。(7月5日付)
◎2軍再調整から1軍復帰した山崎と試合前に監督室で会話。内容を聞かれ「“ヨ・ロ・シ・ク”の一言です」。番長流の激励でした。(同15日付)
◎出場選手登録を外れた新人・度会について「開幕当初より声が出ていないのでは?」と問われ、「いや、ベンチでも声を出してましたよ。周りがうるさいから聞こえなくなったんじゃないですかね」。CSへ向けて全員が声を出しています。(10月3日付)
【面白傑作選】
▼2月
◎巨人・阿部監督は、ドラフト1位・西舘がオープン戦でベースの手前に引っかけるフォークを投げ「ちょっと地球の裏側の人がビックリしちゃう。ブラジルの人がびっくりしちゃう感じだけどね」。命名はブラジリアンフォーク?(26日付)
◎ヤクルト・高津監督は塩見から「キャンプを完走した塩見です」とあいさつされると「カンソウしたんなら、ちゃんと化粧水を塗っといてね」。(29日付)
▼3月
◎中日・立浪監督は練習でカリステのキャッチボール相手に。気を使い緩いボールを投げた助っ人に「一応野球やっていたから、普通に捕れるぞ」。ゴールデングラブ賞5度の名手です。(8日付)
◎西武を本拠地に迎えた開幕戦前、初陣に臨む心境を問われた楽天・今江監督は「緊張するのかなと思ったら、昨日の夜も勝手に寝落ちしていました」。(30日付)
▼4月
◎巨人・川相内野守備コーチは、トンボでグラウンド整備をしながら「どこかにオニヤンマはないかな?」。もう少し大きなサイズを求めていました。(10日付)
◎丸刈り頭を見られないよう帽子を外すことを渋るオリックス・紅林に、西川は「すぐヤフーニュースやぞ!何か悪いことしたんか~?」。チームの雰囲気の良さがうかがえました。(15日付)
◎日本ハム・上川畑はソックスを見せるオールドスタイルに変更。「気持ち的に足が速くなるんで」。確かに速そうです。(21日付)
▼5月
◎複数の記者から代わる代わるこどもの日の思い出を質問されたヤクルト・村上は「(聞かれるのは)130回目ぐらいですよ」。それでも笑顔で答えてくれて優しいです。(6日付)
◎ロッテ・菊地は座右の銘を問われて「左1.5、右1.5…って、それは左右の目か…」。お約束のボケ、ありがとうございました。(11日付)
▼6月
◎DeNA・田代打撃コーチは牧の打撃の調子を聞かれ「あいつまだ(体重が)0.1トンあるんじゃないか?今日もさっきウインナー8本食べていた」。横にいた中村辰哉打撃投手は「でも、田代さんは10本食べていましたっ!」。(7日付)
◎22日の中日戦で左太腿裏の張りで交代した広島・末包は塩を手にグラウンドへ。左翼芝生に清めの塩をまき「事故現場なので。自分のためと他に犠牲者が出ないように」。幸い軽症で済んだようです。(24日付)
◎30日の西武戦に先発する楽天・藤井は、チームトップの6勝ながら野手に助けられていると強調。どれくらい勝てば自信を持てるのか。「100連勝くらいしたら、俺に任せとけって言えます」。(30日付)
▼7月
◎ファン投票のDH部門1位で10回目の球宴出場が決まった西武・中村剛。エスコンフィールドでの第1戦へ「(新庄監督の椅子に)チャンスがあったら座ってみたい」。どんな座り心地なんでしょうか。(3日付)
◎巨人・小林はドジャースのソックスを着用していた大勢を見て「憧れるのはやめましょう」。大谷の有名なフレーズを拝借していました。(4日付)
◎巨人・萩尾は太陽が照りつけるマツダスタジアムのベンチに座ると「アチチ。アチチ。郷ひろみ」。どの世代にも知られている名曲ですね。(10日付)
▼8月
◎プロ初ホールドを挙げたロッテ・菊地は、夜の肌の手入れは欠かさないとか。「だってピンチで登板したら、(顔の)この辺とかアップで映るんですよ」。意識高い系美容男子です。(9日付)
◎DeNA・知野は夏の甲子園に出場した故郷・新潟の新潟産大付に「ちの(千野)」選手がいることに「はい、あちらは“せんちの”君で、こちらは“しるちの”。新潟には“しるちの”の方が多くて、特に新潟、長野地方に多い姓です」(15日付)
◎DeNA・伊勢は朝食の話題に「僕クラスになると、朝はヨーグルトしか食べないんです。ダイエッターですから。“OL”と呼んでください」。顎ひげを生やす1メートル83、94キロの巨漢ですが…。(29日付)
▼9月
◎試合後にベルーナドームで歌手の郷ひろみがスペシャルライブ。西武・渡辺監督代行は「昔、大阪のディスコで会ったことがあるよ。かっこ良かったなあ…」。(2日付)
◎開門前のマツダスタジアムの無人のスタンドへ、なぜか手を振りながらグラウンド入りした巨人・大勢。「僕には見えています。満員のお客さんが」。イメトレはバッチリです。(13日付)
◎6月以来の1軍昇格となったDeNA・上茶谷は「2軍ではファンの気持ちで1軍を応援していたので、選手に会った瞬間“あっ、テレビで見ていた人たちだ”と思いました」。(17日付)
▼10月
◎ヤクルト・山田は担当記者が持っていた一眼レフのカメラを借りて写真を撮ろうとしたが、うまくピントが合わず「これ壊れてるでしょ。“写ルンです”でいいよ」。久しぶりに聞きました。(2日付)
◎日本ハムは前日のCSファーストS第2戦で劇的なサヨナラ勝利。6月にくも膜下出血で倒れ、現在は後遺症もなく元気に業務をこなしている小村勝球団社長兼オーナー代行は「試合後にファンの方に“奇跡の社長だ”って凄い触られたよ。ビリケンさんみたいやな」。(15日付)