日本ハムが、中日から国内FA権を行使した福谷浩司投手(33)の獲得に乗り出すことが16日、分かった。ヤクルトも獲得調査を進めており、残留の可能性も残る中日と3球団による争奪戦となるもようだ。
新庄監督の就任4年目となる来季のリーグ優勝と日本一へ、投手補強は課題だった。レッドソックス傘下3AからFAとなった上沢はソフトバンク移籍が決まり、古巣復帰がなくなった。また、現役ドラフトでは田中瑛、鈴木の2投手が流出。投手陣に厚みを加えるため、先発、救援ともにこなせ、今季年俸2000万円で補償の必要のないCランクの右腕に狙いを定めた。獲得へ複数年契約を準備しているとみられる。
先発陣は投手2冠の伊藤、ともに2桁勝利を挙げた山崎、加藤貴の3本柱と、新庄監督から来季の開幕投手に指名された金村が中心。台湾・統一から加入した古林睿煬(グーリン・ルェヤン)は日本での実績はなく未知数で、20年には8勝を挙げた経験豊富な右腕が先発として加入すれば、より厚みが加わる。
今季は8試合(4先発)で3勝にとどまったが、かねて新庄監督は「(選手は)僕のところに来たら変える自信がある」と語っており、柔軟な選手起用で復活を遂げる可能性がある。チームには同じく慶大からプロ入りした郡司をはじめ、山本拓、マルティネスと中日でともにプレーした選手もおり、いち早くなじめる環境もある。
プエルトリコでのウインターリーグ参加後に米国で自主トレを行っており、近く帰国予定。日本ハムは帰国後に初交渉の場を設け、熱意を伝えていく。
◇福谷 浩司(ふくたに・こうじ)1991年(平3)1月9日生まれ、愛知県出身の33歳。愛知・横須賀から慶大に進み、12年ドラフト1位で中日に入団。14年に32ホールド、15年に19セーブなど18年までは主にリリーフで活躍し、19年からは先発に転向して20年に8勝をマークした。1メートル83、93キロ。右投げ右打ち。