5人組ヴィジュアル系ロックバンド「DuelJewel」が14日、東京・池袋harevutaiで全国ツアーの最終公演を行った。9月から3カ月にわたって精力的に全国を巡り、19本のライブを敢行。その集大成となるこの日は約2時間半で21曲を熱演。異例のダブルアンコールまで起き、メンバーとファンが一体となって師走の寒さを吹き飛ばした。
オープニングを飾ったのは「Ding-Dong」。発声障害を克服したボーカルの隼人が作った曲で、その声圧と圧倒的な声量で会場を早々と支配。総立ちのファンが腕輪型のライトを左右に揺らし、ボルテージを上げていく。隼人の声が響き渡るたびに、ファンの歓声が一層高まる。
メンバーの演奏に合わせて、ほぼ女性ファンの客席が長い髪を振り乱し、縦に横に一斉にヘッドバンキング。激しい曲調に合わせて髪が揺れ、熱風が起きる。その光景はまるで嵐のようで、会場全体が一体となって熱狂していた。本編を締めくくった「神人絵」では室温が急上昇。作曲したギター祐弥がデスボイスで叫び、ベースのNatsukiが客席をあおりにあおる。ギターのShunはスリムになった体で、軽やかなステップを踏みながらギターをかきならし、ドラムのばるが立ち上がってシンバルを叩きつけるたびに熱気が高まっていく。観客はヘッドバンキングなど統制の取れた動きで声援を送り続けた。外は厳しい冷え込みとなったが、演奏が終わると、客席から「あっつぅー」との声が漏れた。
さらにアンコールでは発表3連発。活動休止からバンドが2019年に復活した記念日を迎える来年3月1日に東京・初台Doorsでライブを開催することが決定。さらに同20日にZepp Shinjukuで立ち見席無料(VIP席、指定席は有料)のステージを実施。そして、4月5日のHOLIDAY NEXT(名古屋)を皮切りに、5月25日のVeats Shibuya(東京)までの「温故知新」ツアーを敢行する。
次のツアーは基本的に1会場ごとに2日間ライブを開催。新たな試みとして2011年に発表された「Luminous」までの楽曲群を中心に構成する「温故」の回とそれ以降の楽曲群を中心に演奏する「知新」の回に分ける。ファイナルのみ1日で2部構成となる。
隼人は最終盤のMCで「(今ツアーが)もう終わっちゃう。寂しくなるね」と呼びかけた上で「しっかりといい形で終えて、次のライブ、次の作品へと向かっていきたい」と誓った。
めったにないダブルアンコールを受けて、ツアーを完走したDuelJewel。終演後、控え室に戻るなりメンバーからは「終わったぁ」との声が漏れた。その声にはツアーを終えた名残惜しさとやり切った充実感といった感情が交ざっていた。