横浜F・マリノスは17日、来季の新監督に前イングランド代表ヘッドコーチ(HC)のスティーブ・ホーランド氏(54)が就任すると発表した。イングランド代表HC時代はサウスゲート監督を支え、18年W杯ロシア大会4強や欧州選手権2大会連続決勝進出に貢献。来季の王座奪還へ、国際経験豊かな指導者に名門の立て直しが託された。
同氏はクラブを通じ「素晴らしい国である日本に行けることを楽しみにしており、アジアで最高のリーグであるJリーグで働けることを光栄に思います。横浜F・マリノスの監督として指揮を執ることも光栄です」などとコメントした。
英国出身のホーランド氏は監督歴こそ少ないが、国際経験豊かな参謀役として知られる。11年から17年までプレミアリーグの名門チェルシーでHCを務め、その間にモウリーニョ監督らの右腕として欧州CL制覇などに貢献。6年にはイングランド代表HCに就任し、サウスゲート監督の“頭脳”として、18年W杯ロシア大会4強や欧州選手権2大会連続決勝進出に導いた。同国U―21代表HCも歴任するなど、育成手腕もある。
今季リーグ戦9位に沈んだ横浜はアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)も決勝で敗れ、天皇杯とルヴァン杯はいずれも4強止まり。無冠に終わった名門の来季巻き返へし、ホーランド氏は今季最終戦となった名古屋戦を現地で視察するなど既に立て直しは始まっている。
西野努スポーティングダイレクターもクラブを通じ「ホーランド氏は、横浜F・マリノスの試合を数多く見ていただき、課題点や解決策等の議論を重ねた上で、クラブとして選考し、合意することができました」と説明し「新たな強みを加えてくれる監督」と期待した。
目指すは王座奪還。新指揮官は「私たちの挑戦は再びタイトルを獲得することです。そして、アグレッシブなアタッキングフットボールをしていきます。一貫性かつ高い競争心を持ちながら、タイトルを争うチームを築きあげていきたい」と誓った。
◇スティーブ・ホーランド 1970年4月30日生まれ、英国出身の54歳。選手時代はイングランド下部リーグのダービー・カウンティなどに所属し、91年に現役引退。翌92年に同国下部リーグのクルー・アレクサンドラFCのユースコーチに就任し、22歳という若さで指導者キャリアをスタート。07~08年には同クラブの監督を務めた。11~17年はプレミアリーグの名門チェルシーでヘッドコーチ。16年にイングランド代表HCに就任し、W杯は18年ロシア大会4強、22年カタール大会8強入りに貢献した。