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「ドクターX」敏腕女性プロデューサー明かす 打ち上げの席で初号泣 西田敏行さんの優しい言葉とは

スポニチアネックス 2024年12月19日 7時2分

 【インタビュー】女優・米倉涼子(49)主演の映画「劇場版ドクターX」が6日に公開され、好調なスタートを切った。12年続いたテレビ朝日の人気ドラマシリーズが完結する注目作。天才的な腕を持ちながら組織に属さず、病院を渡り歩くさすらい歩く主人公・大門未知子の誕生秘話が初めて明かされるほか、未知子が過去最大の危機に挑む。2013年の第2シリーズから出演し、大門を目の敵にする病院の重鎮・蛭間重勝役で人気シリーズを支えてきた西田敏行さんが76歳で10月に他界した。撮影現場を引っ張っていった西田さんの人柄について、テレビ朝日取締役でエグゼクティブプロデューサーの内山聖子(さとこ)氏に聞いた。(鈴木 美香)

 「われわれ“ドクターX”チームとしては映画は初めて。人気があった作品とはいえ、“ひよっこ”で手探りでした。作品は完成したものの、不安もあったところに西田さんが声を掛けてくれて…」

 西田さんは「ドクターX」シリーズのレベルの高いアドリブで作品にさらなる面白さを生み出したり、撮影終了後にはスタッフ、出演者を食事に誘うなどして“チーム”として現場を引っ張ていた。そんな西田さんが劇場版完成後に掛けてくれた言葉が内山氏の胸に響いたという。

 「“素晴らしい映画だ”と言ってくれました。ドクターXでは12年間、何度も打ち上げや飲み会の席があったんですけど、初めて、その言葉で泣いてしまって。映画人としてもシリーズを主役でお持ちの大スターの方に“立派な映画だよ”と言っていただけたことがうれしくて、自分では気づかなかったけれど、不安とこれが最後というような、いろんな思いがあって号泣してしまいました。これで自信を持って皆さんに見ていただけるという安どもありました」

 西田さんはスターにしてムードメーカーだった。内山氏は「出演者の方々に“金言”をまぶしていた姿をよく見ていました。“セリフは覚えちゃだめだ。食べろ!”と“生っぽい言葉”でいうように出演者の皆さんに伝えていて、その結果、ライブ感が出てすごいなと思っていました」と振り返った。「ただ、こちらとしては本(脚本)を作っても、アドリブでどんどん変えられるので“本当に勘弁してください”って言うことがあったんですけれど“さとP(内山氏)、大丈夫だから。最後は戻すから”って。実際、全然違うアドリブが始まるけど、最後は次の人のセリフが受けられるように戻っていました。切っても編集してもちゃんと台本の意味に戻ってきてるんです。結果、絵で見ると面白い。プロデューサーとの私にしてみれば一番刺激的で面白いところでした」と西田さんのすごさを振り返った。

 「この前、社内で“請求書です。メロンはありませんけど…”と日常で使っているやり取りを見ました。メロンのシーンが有名になったのは、やはり西田さんと岸部一徳さんのアドリブのやり取りのおかげで面白い場面になったから。本当にすごい方とお仕事ができたと思っています」と感謝した。

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