ソフトバンクは18日、レッドソックス傘下3Aウースターからフリーエージェント(FA)となっていた上沢直之投手(30)を獲得したと発表した。4年総額10億円規模の好条件とみられ、背番号は「10」に決定。26日に入団記者会見を行う。日本ハム時代に通算70勝をマークした右腕を獲得し、補強ポイントだった先発陣の強化に成功。今オフは石川、甲斐ら主力の移籍が相次いだが、来季リーグ連覇へ向けて朗報が届いた。
リーグ連覇、忘れ物となった日本一を手にするため必要なピースが埋まった。NPB通算70勝を挙げている上沢の獲得。正式発表後に取材に応じた三笠杉彦GMの言葉は期待で熱を帯びた。
「先発陣の補強がテーマの一つの中で彼のような素晴らしい実績のある投手が来てくれてうれしく思います」
古巣・日本ハムとの争奪戦を制した。11月28日に上沢と代理人を福岡に招いて極秘交渉を行い、4年総額10億円規模の好条件を提示した。福岡の環境を確認することができた上沢は家族と相談し、ソフトバンク入りを決断したという。
今オフは石川、甲斐と主力が相次いでFA移籍した。投手力、特に先発が補強ポイントだっただけに、三笠GMは「石川くんが抜ける中で若手、中堅と投手陣のバランスも取れる。一つ大きな成果を出せた」と話した。9月に痛めた右肘の状態も確認し、来季の投球に支障はない。「われわれが過去にたくさん苦しめられた投手。この先3、4年と確実に活躍してくれる」と期待を寄せた。
小久保監督は「真っすぐとフォークの出どころが見にくい」と評価していた。「連覇を狙う中、先発候補で頼もしい人が入ってくれた」と歓迎し、「向こう(米国)で苦労したでしょうから、また日本球界でやれるんだというところを見せてもらいたい」と合流を楽しみにしている。26日の入団会見後に倉野投手コーチと本人へのヒアリングを行い、来年2月の宮崎キャンプの合流時期などを確認するもようだ。
指揮官は有原、モイネロ、スチュワートの開幕ローテーション入りを明言している。来季先発は7枠を想定しており、残り4枠を争うことになる。上沢がその実力通りに名を連ねれば、移籍後の初登板はロッテとの開幕カード(ホーム、3月28~30日)か日本ハムとの2カード目(ビジター、4月1、2日)が有力になる。本拠地公式戦デビュー戦か、敵地で古巣と対戦か。好投すればリーグ連覇の希望はより膨らむ。 (井上 満夫)
◇上沢 直之(うわさわ・なおゆき)1994年(平6)2月6日生まれ、千葉県出身の30歳。専大松戸から11年ドラフト6位で日本ハム入団。14年4月2日ソフトバンク戦でプロ初登板初先発初勝利。18、21、23年に球宴出場。昨年オフにポスティングシステムを使ってマイナー契約でレイズ移籍。開幕直前にレッドソックスにトレードされ、現地5月2日のジャイアンツ戦でメジャー初登板。1メートル87、88キロ、右投げ右打ち。