読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄(わたなべ・つねお)さんが、19日午前2時、肺炎のため東京都の病院で死去した。98歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は長男睦(むつみ)さん。読売新聞グループ本社が発表した。
プロ野球・巨人のオーナー、株式会社読売ジャイアンツ取締役最高顧問などを歴任し、日本球界の発展に寄与。野球界のみならず、サッカー、角界にも大きな影響を与えた渡辺氏の言葉を振り返る。
【読売新聞社代表取締役社長・主筆に就任】
▼1991年10月1日(不振の巨人打線に怒り爆発して)(落合=中日=に)ウチなら5億円出す。ドラフト制が悪い。あれは独禁法違反だ。FA制を認めないなら新リーグを作ればいい。
▼同12月4日 ドラフト廃止が駄目ならFA制を導入すべき。
▼同12月5日(吉国コミッショナーの“12球団体制を壊していいなら(巨人だけで)やればいい”の発言に対し)革命的なことをやらなくては駄目。新プロ野球機構を作ればいい。
▼93年3月12日(西武・堤義明オーナーと極秘会談。FA制反対を唱える堤オーナーに)ドラフト廃止に同調してくれるなら、巨人は西武と野球協約改定に協力することもありえる。
▼96年4月5日(開幕戦に快勝も3三振を含む5タコの新外国人マントを酷評)全員良くて、一人だけトンマがいる。“クスリ”と“マント”だけは逆さに読んだらいけない。
▼同年12月16日(オーナー就任発表)フロントがオレの指揮下に入る。これからは直接指揮をするということだ。
▼97年9月30日(FAでのメジャー移籍の可能性がある桑田について)俺が肩代わりしている17億円の借金はどうなるんだ。それをクリアさせてからだ。17億円をどうにかしてから、考えろ。
▼98年1月6日(緊急記者会見を開き前立腺がんの手術を受けることを発表)12日から都内の病院に入院して、前立腺がんの手術を受けます。まあ、僕からみれば盲腸のようなもの。どうってことない。
▼00年9月24日(巨人が9回に大逆転してリーグ優勝を決め、号泣)一生に1度か2度だよ、男が泣くチャンスは。9回裏の逆転…。ドラマチックすぎる。きょうは駄目だと思った。長嶋ってのはメークドラマな男だな。
▼同11月2日(オーナー会議で代理人交渉を認める方針で一致したが)巨人の選手が代理人を連れてきたら?5、6000万円もうかると思ったら大間違いだ。こっちは2、3000万円(年俸を)下げるだけ。それが嫌なら自由契約。巨人に入りたいやつはいくらでもいる。
▼01年9月28日(長嶋監督の退任発表に)長嶋監督とはゆっくり話し合った。熟慮した結果(勇退を)受け入れることにした。長嶋監督は英雄であり神様だ。私は“引退”とは思っていない。