プロ野球選手の将棋最強王こと「球王」のタイトルをかけて戦う「勘定奉行クラウド杯 球王決定戦2024」(主催:スポーツニッポン新聞社、特別協賛:勘定奉行クラウド、協賛:エンスカイ)が19日に都内で行われた。
20年に始まり5回目の開催。今年も日本プロ野球選手会の全面協力のもと、豪華選手が出場した。
2年連続で「球王」を獲得したロッテ・安田尚憲内野手(25)、巨人・丸佳浩外野手(35)、ソフトバンク・嶺井博希捕手(33)、ヤクルト・山野太一投手(25)、中日・土生翔太投手(23)、西武・長谷川信哉内野手(22)が出場。「球王」のタイトルをかけて熱い戦いを繰り広げた。
ダブルイリミネーション方式のトーナメント戦で行い、1回戦は安田と丸がシードで、山野―長谷川、嶺井―土生の顔合わせ。過去に出場経験がある長谷川と嶺井がともに勝った。それぞれ初出場の山野と土生は敗れ「緊張しました」と声をそろえた。山野は「攻めようと思ったが、駒をとられてしまった」と振り返り、土生は「守ることに意識がいってしまった」と反省し、敗者復活戦に回った。
2回戦は丸―長谷川、安田―嶺井が対局。5年連続出場の丸と「球王」安田が勝利した。2年連続出場の長谷川は「特訓してきたが…。頑張ります」、2年ぶり登場の嶺井は「時間とも戦わなければならなかった」とコメントし、敗者復活戦に回った。
3回戦は丸―安田が対局。「胸を借りたいが(安田の)3連覇を阻止するのは自分しかいない」と意気込み、安田は「緊張して手汗が凄い。球王の重みがある」と話して臨んだ。「穴熊」を選択した安田は熱戦の末に丸を下して決勝進出。「頭をフル回転させたので疲れた。どこから攻めていいか悩んだが、なんとか行けるかなと思った」と笑みを浮かべた。
決勝は安田と、敗者復活戦を勝ち抜いた嶺井の顔合わせ。「球王らしくドシッと構える」とコメントした安田と「さっきも前回も負けている。3度目の正直で頑張る」と話した嶺井が火花を散らした。
先手嶺井と後手安田は互いに自在な打ち回しを見せたが、安田がまさかの「二歩」で“反則負け”。嶺井が新「球王」に輝いた。
タイトルを奪取した嶺井は「正直びっくり。(二歩に)気づいていなかった。勝負はわからないもの。時間と運が自分に味方をしてくれた」と喜んだ。
ヤクルトのユニホームに身を包んで登場した解説の森内俊之九段(54)は「これまでの大会を視聴して興味があったので、呼んでいただき光栄。今年は横浜スタジアムにも行きました」と笑顔。「皆さん、とても打ち慣れていますね」と語った阪神ユニの室谷由紀女流三段(31)とともに対局を盛り上げた。
イベントの模様はスポーツライブ+(スカパー!・J:COM・ケーブルTV・ひかりTV)で生放送、生配信された。