高橋宏が防御率1・38で自身初タイトル。2リーグ制以降のチームトップだった54年杉下茂の防御率1・39を、70年ぶりに更新した。被本塁打は9月10日、村上(ヤ)のソロ1本のみ。これは56年稲尾和久(西鉄)らの2本を更新する両リーグ最少記録となった。
最下位チームからセ初(パ5度)の防御率タイトルに加え、最優秀中継ぎ投手の松山、最多セーブのマルティネスと先発、中継ぎ、抑えのタイトルそろい踏みは史上初。一方で打線は5年連続リーグ最少得点。投高打低が顕著だった今年のプロ野球をチーム内で象徴した珍事と言える。
高橋宏は21試合中、責任投球回の5イニング以上を投げて無失点は9度を数え、7月は4試合32イニング無失点の4勝、防御率0・00だった。昨季リーグ最少の7度だったチーム無失点勝利を、今季は巨人に並ぶリーグ最多の21度とするのに一役買った。
12勝は自身初で今季チーム唯一の2桁。大台到達は救援陣の強力サポートがあってこそ。登板21試合中、勝利投手の権利を持って継投した13試合で、救援陣は無失点9試合、1失点と2失点が2試合ずつの1試合平均0・46失点。高橋宏の勝利が消えたのは2度だけだった。
来季の気がかりは僅差の試合を8セーブで締めてくれた守護神・マルティネスの巨人への移籍。救援陣の再編はもとより、得点力アップが急務になる。 (記録担当・桐山 章)