Infoseek 楽天

阪神・才木 最短で来オフのメジャー直訴、侍経験が起爆剤 「一番になる」来季タイトル総なめ誓う

スポニチアネックス 2024年12月21日 5時17分

 阪神・才木浩人投手(26)が20日、兵庫県西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、今季5000万円から2・4倍増となる来季年俸1億2000万円でサインした。育成契約経験のある選手では球団初となる大台を突破した右腕は、交渉の席上で将来的なメジャー挑戦の意向を球団に伝えたことも明かした。来季目標には「一番になるところを目指して」と、チームとしては2年ぶりのリーグ優勝と日本一、個人的には主要部門タイトルの総ナメを掲げた。 

 紺基調のスーツに紺のネクタイを締めた才木が、報道陣を前に、かねて抱いていた願望を口にした。育成経験者では球団初の1億円突破となった右腕だが、お金の話ではない。

 「そういう話はちらっとしました。こっちからの要望として伝えただけですね。(伝えたのは)初めてです」

 ペン記者による囲み取材の終盤だった。この日の契約更改の席上で、将来的なメジャー挑戦の意向を、自らの口で球団側に伝えたことを明かした。

 そのひと言から、話題は一色となった。それでも右腕は、顔色一つ変えることはない。「ちらっと」と表現したが、すでに明確な青写真も描いている。今年で高卒8年目シーズンを終えた26歳は挑戦時期について「30代とかになったら、ちょっとしんどい。20代後半、28、29で行けたらベスト」と見通しを立てた。28歳シーズンと言えば、もう再来年。最短で来オフにも、ポスティングシステム利用による移籍を目指す可能性もある。

 以前からメジャー志向が強かった右腕。加えて、11月の国際大会「プレミア12」の出場経験が、その心をくすぐった。日の丸デビューを果たし、複数のメジャー球団スカウトが視察する中、2試合を投げ1勝0敗、防御率1・69。初体験の国際大会でメジャー仕様球に近いボールを難なく操ってもみせ、「自信というよりは経験。経験ができて良かった」と振り返った。

 ただメジャー挑戦の前に、やるべきことがある。まずは来季、チームを2年ぶりの頂点に導くこと。今季は13勝(リーグ2位)、防御率1・83(同3位)、3完封(同1位タイ)、勝率・813(同2位)、奪三振137(同3位)。それでも「(主要部門で)一番になれた数字がない。一番以外に価値はない。優勝とか一番になるところを目指してやっていかないと。全部獲りにいきます」と満足はない。日本一の投手を目指し「投げる試合は全部いい成績を残せるように」と続けた。

 「メジャーが(モチベーションになる)ということではなく、どこにいても一番になりたい。最終的にはそれ(世界一の投手になること)も含まれます」

 1メートル89の長身から、世界の頂点を望む。(石崎 祥平)

 ○…才木(神)は今季、自身初めてFA権の取得基準となる1軍登録日数145日=1年をクリア。これまでの累積は3年分+〓とみられ海外FA権取得の9年を満たすのは最短で6シーズン、2030年になる。ただし今年26歳シーズンの才木が目標とする20代シーズンでのメジャーデビューには26年オフの移籍がリミット。目標実現のためにはポスティングシステムの利用が必要となる。

 ○…才木がポスティングシステムを利用してのメジャー挑戦を直訴したことについて、粟井一夫球団社長は「(球団の姿勢として)基本はポスティングは認めないけど、ケースバイケース。時間をかけて話していこうということ」と一定の理解は示した。来季以降に才木の残す成績やチームへの貢献度も考慮しながら、球団は本人と話し合いを進めていくもよう。同社長は「夢を持ったりは大事なので」とうなずいた。

 【才木に聞く】

――1億円の大台に乗った気持ちは。

 「ここで満足しちゃいけないとは率直に思った。ここからもう1つ、2つ上のレベルにいけるようにやらないといけない。個人的にパフォーマンスも伸びしろがある。そういうところを伸ばして上のレベルで野球ができるように頑張りたい」

 ――今シーズンを終えて球団から言葉は。

 「イニング数や勝利数、防御率とか全体的にキャリアハイでいい成績を残してくれたという話をしていただきました」

 ――1番になるためには何が必要か。

 「シンプルにフィジカル。1年間を通して、安定した成績をおさめること。今年の後半はちょっと4点、5点取られたりとか、0点に抑える事ができなかった。そこは一つ大きな課題。来年しっかりこなせるように準備できたら。ある程度、目星はついている」

 ――具体的に。

 「疲労をどう抜いていくかが、すごく大事かなと思います。トレーニングに関しても疲れているから抜くというのも、ちょっと違う。疲れていてもしっかりトレーニングをやること。睡眠、食事、入浴をしっかりすることが大事かなと感じました」

この記事の関連ニュース