◇プロボクシング第71回全日本新人王決勝戦スーパーフライ級4回戦(2024年12月21日 東京・後楽園ホール)
プロボクシング第71回全日本新人王決勝戦が行われ、スーパーフライ級の村田碧(20=松田)が高橋秀太(23=角海老宝石)を4回8秒TKOで下し全日本新人王に輝いた。最優秀選手賞(MVP)はスーパーバンタム級の山本愛翔(18=カシミ)、敢闘賞はスーパーフェザー級の梶野翔太(19=角海老宝石)が獲得した。
西軍MVPの村田がプロ10戦目の相手を技術の差で圧倒した。立ち上がりから長いリーチを生かした左ジャブで主導権を握ると、3回には右ショートでダウンを奪取。4回には強烈な右アッパーをヒットさせると、レフェリーはノーカウントで試合を止めた。
完勝にも「もっと圧倒して完封したかった。満足はしていない」と表情は冴えなかった。それもそのはず。昨年、全日本新人王となりMVPを獲得した同門の武藤涼太に続くべく、MVPを意識したことで「多少、動きが硬くなってしまった」と苦笑い。それでも技能賞を受賞するなど、技術の高みを見せた。
元プロボクサーの父・稔さんの影響で小学1年からボクシングを始めた。この勝利で7戦全勝5KOとなり、連続KO勝利も5に伸ばした。現役時代にフェザー級で西軍代表経験もある父を超えた村田は「こいつとはもうやりたくないくらい強いな、もう何もできないな、と思わせれるようなチャンピオンなりたい」と笑顔。軽量級にまた一人新たなスター候補が誕生した。