◇トップリーグ第1節 神戸13ー15静岡(2024年12月21日 ヤマハ)
4季目のシーズンが開幕し、初優勝を狙う昨季5位の神戸は昨季8位の静岡に13―15で惜敗。5点リードの後半ロスタイムに逆転を許し、開幕戦勝利を逃した。
雨中の開幕戦は5点リードで突入した後半ロスタイムに暗転した。自陣にくぎ付けにされた時間帯。危険なプレーによる退場者を2人出していたことも戦況に大きく響いた。神戸は攻勢を強める静岡の圧力に屈し、後半45分にトゥポウにインゴールを割られて同点。直後のゴールキックで勝ち越しを許した。
「自分たちが本来もっとコントロールすべきところが出来なくて最終的に自分たちが(勝利を)与えてしまったなと思うところはある。ただ、試合の終わり方に対しては正直かなりフラストレーションがたまっている」
終了間際のラストワンプレーで勝利がこぼれ落ち、共同主将を務めるロックのレタリックは険しい表情を浮かべた。同じく共同主将のSO李の右耳付近には流血の跡も見られた。激しい雨に見舞われた、敵地での死闘。粘り強いディフェンスで応戦していただけに、悔やまれる結果になった。
悲願の初優勝を目指す今季。この日は思い描く結末とはならなかったが、新加入のスコットランド代表フッカー、ターナーが前半35分にトライを挙げた。2年目のフランカー福西もリーグ戦初先発でフル出場。戦力は整いつつある。
来年1月17日で阪神大震災の発生から30年。神戸にとっては特別な一年になる。「震災から30年。本当に大きな意味を持つシーズンです。地域のみなさんや仲間の思いを自分たちのエネルギーに変えて結果を出したい」。開幕前に発した李の言葉こそ、チームの総意だ。29日の次戦は本拠ノエスタで横浜を迎え撃つ。下を向いている時間はない。 (山手 あかり)