10月に虚血性心疾患のため亡くなった俳優の西田敏行さん(享年76)の追悼企画が、大みそかの「NHK紅白歌合戦」(後7・20)で行われる。企画に参加するのは、駆け出しの頃から時間を共にした「五人会」のメンバーとして知られる松崎しげる(75)と田中健(73)、50年来の親友の武田鉄矢(75)、同局ラジオ第1「新日曜名作座」で2008年から共演してきた竹下景子(71)の4人。NHKが持つ映像とともに西田さんの功績を振り返る内容となる。
披露曲は「もしもピアノが弾けたなら」。西田さんが主演し、自ら歌唱した日本テレビ連続ドラマ「池中玄太80キロ パート2」の主題歌だ。曲は1981年の日本レコード大賞金賞などを受賞し西田さんはその年の紅白にも出場。曲に影響されピアノを練習をする男性が増えるなど社会現象となった。
紅白のステージでは4人が西田さんをしのびながら曲を歌い継ぐことになるが、中でも松崎と西田さんは紅白とも縁が深い。77年に松崎が「愛のメモリー」で初出場した際、応援ゲストで西田さんが駆け付けた。売れる前からの親友で「西やん」「マツ」と呼び合う間柄。松崎のことを「歌唱力には太鼓判を押します!」と紹介し、花束を手渡した。
松崎といえば毎年、紅白の裏で開催されている「ももいろクローバーZ」がホスト役の「ももいろ歌合戦」への出場が恒例となっている。例年は年越しイベントとして開催されているが、今年は東京・九段下の日本武道館で午後7時に終了予定。関係者は「“親友の功績を世の中に届けたい”との思いもあり紅白のオファーを受けたのだと思います。ももいろ歌合戦での出番が終わり次第、渋谷のNHKホールに移動することになる」と語っている。
77年に2人で紅白のステージに立ってから47年。天国にいる「西やん」へ感謝の思いを込めて名曲をパワフルに歌い届ける。
≪西田さんは歌手で4回出場≫西田さんは紅白に歌手として4度出場した。初出場となった81年は白いタキシードとシルクハットに銀のマントをまとって「もしも…」を歌唱し、90年も同曲を披露した。82年には「ああ上野駅」、2011年には東日本大震災を受け、故郷の福島への思いを込めて「あの街に生まれて」を歌った。出場歌手としてだけでなく白組応援リーダー、審査員、白組司会も務めており“4冠”を達成した唯一のタレントとしても知られている。