漫才日本一を決める「M-1グランプリ2024」が22日にテレビ朝日系で午後6時30分から生放送される。2022年と23年に審査員を務めたタレントの山田邦子(64)は審査員から外れ、審査員9人全員が現役の漫才師となった。松本人志は2004年、15年以来の3度目の不在。フレッシュな顔ぶれによる審査の行方に注目が集まる。
今大会の審査員は「オードリー」若林正恭、「かまいたち」山内健司、「アンタッチャブル」柴田英嗣、「笑い飯」哲夫、「NON STYLE」石田明、「中川家」礼二、「博多華丸・大吉」博多大吉、「ナイツ」塙宣之、「海原やすよ ともこ」海原ともこの9人。
最大の特徴は、審査員9人全員が現役の漫才師であること。今回初審査員を務める「オードリー」若林も「ズレ漫才」で2008年大会で準優勝している。ほかに山内、柴田が初めての「M-1」決勝審査員。哲夫、石田は2015年以来2度目となる。平均年齢は昨年より約5歳若い48・2歳となった。礼二、柴田、石田、哲夫の4人は「M-1」チャンピオン。塙、山内も「M-1」で活躍した“M-1戦士”だ。
これまでの「M-1」では、ピン芸人の山田邦子や落語家の立川志らくや春風亭小朝、古くは演出家の鴻上尚史氏ら漫才師ではない人物が審査員に名を連ねてきた。
漫才とは別ジャンルの人物の審査の行方は注目の的となった。23年まで2年連続で務めた山田は、初めての審査となった22年のトップバッターの「カベポスター」に84点の辛口採点。一方で続く「真空ジェシカ」に一気に11点プラスの95点を付け、「独自採点だ!」「山田さんの採点基準は?」などと話題となった。また、昨年はエンディングで決勝2本目のネタ「見せ算」が評価されず0票に終わったさや香に対して「最後のネタは全然よくなかった」と酷評して、これまた話題に。
18年から22年まで5年連続で審査員を務めた志らくは、21年に奇想天外なコント漫才を披露した「ランジャタイ」をこの大会トップタイの96点の高評価。「ランジャタイ」は総合順位では10組中10位で、志らくの高得点が際立った。他にも「トム・ブラウン」や「ヨネダ2000」など“ぶっ飛んだ”漫才に高得点を付けることがお笑いファンの間でおなじみとなり、SNSには「志らく枠」という言葉が生まれた。
お笑い関係者は「お2人ともそれぞれの道で芸を極めた笑いの第一人者。さまざまな意見も出ましたが、漫才師とは異なる独自の視点で審査したことは、ある意味、いろいろな人が楽しむ“国民的お笑い番組”としての“らしさ”が出た瞬間だったともいえます」と話している。
時に批判的な声が寄せられることもあったため、志らくは審査員勇退時に「当初は漫才師でもない奴が何故審査をするんだと非難もされました」とした上で、「私としては漫才師No.1を決めると同時に明日のお笑いのスターを決める大会でもあると思っていたので落語家がいてもいいのではとそういう思いでやってきました」と落語家が審査することの思いを語っていた。
“異業種なし”はどのような結果を生むのか。
記念すべき20回目の大会に過去最高の1万330組の頂点に立つのはどのコンビか。審査の行方に注目だ。