◇プロボクシング WBA・WBC・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ12回戦 ○3団体統一王者 オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)<判定3-0>WBA2位・WBC1位・WBO1位 タイソン・フューリー(英国)●(2024年12月21日 サウジアラビア・リヤド)
7カ月ぶりの再戦となったプロボクシングのWBA・WBC・WBO世界ヘビー級タイトルマッチは21日(日本時間22日)に行われ、3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(37=ウクライナ)が挑戦者の前WBC同級王者タイソン・フューリー(36=英国)に3-0で判定勝ちした。ジャッジの採点は3者とも116-112でウシクを支持した。戦績はウシクが23戦全勝(14KO)、フューリーが34勝(24KO)2敗1分け。
フューリーは判定負けに不満の様子で、米専門メディアのボクシングシーンによると「神に誓って、少なくとも3ポイントは勝っていた」と怒りをあらわにした。米スポーツ専門局ESPNのマイク・コッピンガー記者のX(旧ツイッター)によると、記者会見でウクライナの記者からウシクの闘争心について問われ「クリスマスのスピリットを感じた。ジャッジからちょっとしたクリスマスプレゼントをもらえたと思う」と皮肉った。また、AIの採点でも118-110でウシクの判定勝ちだったと知らされると「コンピューターなんて全て××だ。人類は生きのびろ。人間の仕事が増えてコンピューターの仕事は減るべき。電気自動車(EV)も××だ」と4文字ワードで八つ当たり?した。
自己最重量の281ポンド(約127.4キロ)で臨んだフューリーは試合前半こそ主導権を握ったものの、 6回以降はウシクが優勢。11、12回は激しい打ち合いとなったが、ウシクの左が何度もフューリーの顔面をとらえた。終了と同時に両腕を突き上げたフューリーは、判定が告げられるとリング上でのインタビューに応じず、プロモーターのフランク・ウォーレン氏と何事か話して引き揚げた。
5月に行われた初戦ではウシクが9回にダウンを奪い、2-1で判定勝ち。フューリーからWBCのベルトを奪取して史上初となるヘビー級4団体王座統一に成功し、クルーザー級と合わせて2階級で4団体統一を成し遂げた。フューリーとの契約には再戦条項があり、ウシクは指名試合を回避するためIBF王座を返上。今回は3つのベルトの防衛戦となっていた。ファイトマネーは両者合わせて1億9000万ドル(約297億円)とされ、ウシクが55%、フューリーが45%を受け取ることになっている。